“元FW”の丸岡DF河上、ミス帳消しの2G1A 「取り返してやろうという気持ち」
失点に絡み先制点を与えるも…2得点1アシストで“汚名返上”
丸岡(福井)を勝利に導いたのはFWとして覚醒した2年生の“センターバック”だった。第98回全国高校サッカー選手権1回戦が31日に行なわれ、昨年ベスト16の丸岡は名将・小嶺忠敏監督率いる長崎総科大附(長崎)に3-2で勝利を収めた。
この試合で良くも悪くも話題をさらったのが丸岡の2年生、DF河上英瑞(えいす)だ。前半8分には守備のミスから長崎総科大附に先制点を献上。だが、前半36分にセットプレーからヘディングで同点ゴールを奪い、まずは自らのミスを帳消しにした。
後半28分に勝ち越された後、河上はセンターバックから2トップの一角へとポジションを移した。1年生時はFWだったが、今年の2月からDFにコンバートされ、この全国大会でレギュラーとして抜擢された男が“古巣”で輝きを見せる。後半36分にはスルーパスでFW田海寧生の同点ゴールをアシストし、その3分後にはこぼれ球を押し込むシュートで決勝点を奪ってみせたのだ。
「やっぱり守備の選手なのでノーミスで、(失点)ゼロで終わりたかったというのは本音です。攻撃ではFWもやったということでそれなりの結果を出せてよかったです」
丸岡を率いる小阪康弘監督は「あのくらいやってもらわないと前半のチョンボは許せないな、と(笑)」と冗談交じりに語っていたが、自らミスを取り返したことで河上本人もすでに気持ちの切り替えは済んでいるようだ。
「集中力やクリアのところが自分の課題でした。またそこでやらかしてしまって『やってしまった』という思いはあったんですけど、すぐ次に切り替えて、取り返してやろうという気持ちでした」
2回戦では1回戦で岡山学芸館(岡山)を相手に6-0で快勝した静岡学園(静岡)と激突する。河上は「プロ(鹿島アントラーズ)内定の10番、松村(優太)選手とやれるのは非常に楽しみです」とモチベーション十分。「今日出た課題を明日の練習で修正して万全の体制で、チャレンジャーの気持ちをもって挑めていければと思います」と意気込んだ。
(石川 遼 / Ryo Ishikawa)