豪快ミドル2発の専大北上 監督も驚き「普段はあまりシュートを打たない子たちが…」
龍谷に3-1で勝利して初出場初勝利、小原監督は選手の積極性を称える
躍動感のあるサッカーとともに、積極的なシュートが初戦突破につながった。第98回全国高校サッカー選手権の1回戦が31日に行われ、初出場の専大北上(岩手)は3-1で龍谷(佐賀)に勝利。小原昭弘監督は「普段はあまりシュートを打たない子たちが……」と、全国の舞台で見せた積極的な姿勢に目を細めた。
強風のコンディションで始まったゲームは、徐々に専大北上がペースをつかんで進んだ。前半15分にMF菊地竜空が右足でミドルシュートを決めると、同21分には最終ラインの背後に出たボールに反応したMF阿部耀仁が流し込んで追加点。さらに同30分には、阿部が約25メートルの弾丸ミドルを決めて突き放した。
3得点のうち2得点がペナルティーエリア外からのシュートという攻撃に、小原監督は「普段はあまりシュートを打たない子たちなんですけど、この全国の舞台で思い切りよくやってくれました」と笑顔。そして「前半に風上になったのが良かったのかなとも思います」と、悪条件すら味方につけた攻撃を振り返った。
後半は風下に立ってロングボール主体の相手に押し込まれる展開だったものの、それでもシュートは前半を上回る7本。試合合計でも12本を放ち、積極的にシュートを打って攻撃を終わるという姿勢は最後まで貫いた。
専大北上は、夏のインターハイで全国の舞台に初出場。2回戦で京都橘(京都)に敗れたものの、小原監督は「全国でベスト8を目標にしよう。県大会で勝っても通過点だ」と、初出場の選手権に臨んできたと話す。岩手という土地柄から「雪で思うように練習ができないこともあった」と話すものの、「それは例年のことですから、狭い場所なら狭い場所なりに、やれる場所でやれることをしっかりやりながら、土日などを使って少し遠征もしました」と、大会に向けた準備について話した。
2回戦の相手は、開幕戦で8-0の大勝を飾って話題を呼んでいる國學院久我山(東京B)になる。小原監督は「間違いなく技術も経験も上の相手ですけど、次はもう少し80分間を考えたプレーをできたら」と意気込んだ。
指揮官は「すべてが初めての経験で、トラブルもたくさんあります」と苦笑いしたが、遠野や盛岡商の牙城を崩してつかんだ全国の舞台で、どこまで勢いに乗っていくか楽しみなチームが現れた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)