「マンCの試合を見ろ」 8発圧勝の國學院久我山、2人のエースが語った“最強の教材”
華麗なパスワークで圧勝、ハットトリック達成の山下と山本が明かした「お手本」
第98回全国高校サッカー選手権大会は30日、國學院久我山(東京B)と前原(沖縄)の開幕戦が行われ、國學院久我山が8-0と圧勝。FW山下貴之(3年)とFW山本航生(3年)が、開幕戦で史上初の2人同時にハットトリックを達成した。試合後、チームが見せた華麗なパスサッカーについて、選手たちは「マンチェスター・シティの試合を見ろ、と監督に言われている」と明かしている。
関東大会予選、高校総体予選、東京都リーグ1部、選手権予選を制した國學院久我山は、注目を集めた開幕戦でも持ち前の圧倒的な攻撃力を見せつけた。前半6分、11分と山下が鋭いシュートでゴールを奪うと、山本が強烈なヘディング弾を叩き込んで前半を3点リードで折り返した。
後半も勢いの衰えない國學院久我山は、山下が後半12分にハットトリックを達成すると、同20分に山本が追加点。同24分にFW戸坂隼人(3年)、同26分にDF河原大輔(3年)がネットを揺らし、同30分には山本が押し込んで、この日2人目のハットトリックを記録した。
開幕戦史上最多得点、開幕戦史上初の2人同時にハットトリックなど、令和最初の選手権で強烈なインパクトを放った國學院久我山だが、目指している「美しく勝つサッカー」を浸透させるべく、チームがある世界最強クラブの一つを模範にしていることを、この日の主役となった2人のエースが明かした。
山下は「監督に『マンチェスター・シティの試合を見ろ』と指示されている。ビルドアップなども参考にしている」と、チームがプレミアリーグ王者のシティをパスサッカーの“教材”にしていることを明かし、「部員でお金を出し合って、プロジェクターも買った。そこで対戦相手の映像であったり、プレミアリーグの試合も見ている」と続けた。
また、山本も「シティやバルセロナの試合を見るようにしている。あのようなパスサッカーのイメージを全員で共有するため。僕はやはりFWなので、(シティFWセルヒオ・)アグエロに目が行きますね。ボールのないところでいかに効果的に動けるか、参考にしている」と語った。シティはまさしく、世界で最も「美しく勝つサッカー」を体現しているクラブの一つだが、この日の國學院久我山には確かな“シティ・イズム”が宿っていた。
(FOOTBALL ZONE編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku)