なでしこジャパン高倉監督、皇后杯決勝を視察 五輪選考に向けた“評価ポイント”は?

「なでしこジャパン」の高倉麻子監督【写真:Getty Images】
「なでしこジャパン」の高倉麻子監督【写真:Getty Images】

ベレーザが浦和に1-0勝利、高倉監督が言及「強度の上がったなかで何ができるか」

 日本女子サッカーのシーズン最終戦となった皇后杯決勝は、日テレ・ベレーザが浦和レッズレディースを1-0で破って連覇を達成。昨季に続く国内三冠を成し遂げた。試合を視察した日本女子代表「なでしこジャパン」の高倉麻子監督は「強度が上がったなかで何ができるか見えやすい試合だった」と話した。

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 決勝の顔合わせは、今季のリーグ戦で最後まで優勝を争った2チームの対戦となり、両チームが引いて構えるのではなく積極的にボールを奪いにいく姿勢を見せた。それだけに試合中にはボール際の厳しい競り合いが随所に生まれ、早いリズムでボールを動かさなければ奪われてしまう展開だった。

 そうした試合だっただけに、高倉監督は「今年の最後の試合で、お互いに負けられないという思いの迫力ある試合だったと思う」と全体を振り返ったうえで、選手個々のレベルを示すものとして強度の高いなかでのプレーを挙げた。

「こうした強度の上がったなかで何ができるか見えやすい試合だった。代表選手の多い両チームの戦いで、スペースと時間のないなかでのプレーが続いた。このなかでミスが出てしまう選手は、通用しない」

 直近の代表活動だったE-1選手権には、ベレーザから10人、浦和から4人が選出されていた。来年の東京五輪では登録メンバーが18人に限られることからも、そうした選手同士が直接対決する競争の場でもあった。それだけに、タイトルの懸かったプレッシャーとモチベーションの高さの中でのゲームには、選手選考に参考になる部分も多かったようだ。

 五輪イヤーとなる来年は2月の代表キャンプから始動し、3月にはアメリカ遠征して強豪との対戦に臨む。高倉監督は、すでに代表メンバーにはフィジカルトレーナーからオフの期間に取り組むべき課題も選手たちに渡してあることを明かした。

 シーズン最終戦を終え「まずはゆっくり休んで、楽しんで、気持ちを切り替えてもらえればいい。そして、3月の遠征にはトップパフォーマンスに持っていけるようにしていきたい」と、高倉監督は五輪への準備プランも話した。前回リオデジャネイロ五輪では出場権を逃し、捲土重来を期す地元開催へ向けての準備段階だけに、その主力と期待される選手の多いタイトルマッチは高倉監督にも得るものが多かった様子だった。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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