35年前に駒沢で決めた50メートル弾の記憶 選手権8強で敗れた明徳義塾・小松監督が思い出の地でのんだ涙

「サッカーの神様がここに来いと言ってくれた」

 それでも、2014年に明徳義塾の監督就任以来、高校サッカーの監督として初めて訪れた駒沢には感慨深いものがあったという。

「今ではこんなに芝も緑で、綺麗になったなという印象でしたね(笑)。こういう機会を与えてくれたことに感謝しています。サッカーの神様が、あえてここまで来いよと言ってくれたのかな。監督としても、ここで戦ってくれよというお年玉をもらったのかなと思いますね」

 明徳義塾は、今大会に高知県からバス移動で乗り込んだ。12時間を超える長旅の中で結束力を高めたチームは、悔しさと充実感を噛み締めながら、バスにまた揺られて四国に帰る。35年越しの駒沢での思い出に浸る小松監督は車窓からどんな景色を眺めるのだろう。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

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