元日本代表MF本山世代以来の優勝狙う

　今の3年生は、97年から98年の生まれ。まさに、その東福岡の最強時代に産声を上げた世代だ。今回の世代は最弱と呼ばれた。それでも、実力を着実に高め、今大会も勝ち上がってきた。2回戦の新潟明訓高校（新潟）との一戦では、3年生FW餅山大輝がハットトリックの活躍。このゲームでも、3年生MF橋本和征が決勝点を決めている。高校サッカー最後の大舞台で、最弱軍団が底力を見せつけている。

「1年生のときから悔しい思いをしてきて、それをどう見返すか。自分たちの代で日本一を取りたいです。夏にインターハイは勝ちましたけど、選手権で負けたら評判を覆せないと思っています」

　次なる関門は、前回優勝の星稜高校（石川）に決まった。しかし、「僕らは最弱と呼ばれたからこそ、謙虚な集団と世代だと思います。だからこそ、11人全員で戦うチームプレーのサッカーができていると思います」というキャプテンに恐れはない。

　準決勝の舞台でも、堂々と胸を張って全員サッカーを繰り広げるはずだ。目指すは全国の頂点ただ一つ。もう、最弱世代とは呼ばせない。

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轡田哲朗●文　text by Tetsuro Kutsuwada