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白い巨人に押しつぶされたベニテス政権 レアル監督解任の引き金となった5つの理由
後押しを失った男の末路
最後に引き金を引いたのは、サポーターの離反だった。昨年12月30日に本拠地で行われたレアル・ソシエダ戦で監督の名前が試合前にアナウンスされた際、客席からはブーイングが巻き起こった。ソシエダ戦は勝利したが、3日の年明け初戦のバレンシア戦は退場者を出し、2-2のドローに終わった。特集では「ペレスは4日にベニテス解任を決断した。実験は終わった」と報じられている。
レアルの今季は呪われていた。マンチェスター・ユナイテッドのスペイン代表GKダビド・デ・ヘアのトレード契約は成立していたはずだったが、提出書類の遅れでよもやの破談となった。エースストライカーのカリム・ベンゼマはフランス代表MFへの恐喝・共謀容疑で逮捕、起訴された。さらに国王杯は失格処分。ロナウドのみならず、イスコ、ハメスらエース候補にも移籍報道が相次いでいる。
逆風の船出となったベニテス政権は暗礁を乗り越えられず、7カ月で沈没した。本来なら来季開幕時以降に満を持して投入したかったクラブのレジェンドであるジダンというカードを最悪のタイミングで切る格好となった。白い巨人は、この負のスパイラルから脱却し、V字回復を果たすことができるのだろうか。栄華を極めた銀河系軍団の司令塔を務めた将軍の手綱捌きが試されている。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images