インカレ準優勝の桐蔭横浜大、J2山口内定DF眞鍋旭輝が得た“財産” 「後悔はないです」
初出場のインカレは決勝で明治大に敗戦も「チームが一つになった」と充実感
桐蔭横浜大は22日、インカレ(全日本大学サッカー選手権)決勝で明治大と対戦し、延長戦の末に1-3で敗れた。惜しくも優勝はならなかったものの、初出場で決勝進出の快進撃を演じ、キャプテンを務めるDF眞鍋旭輝(レノファ山口内定)は「チームが一つになったという財産ができた。後悔はないです」と充実の大会を振り返っている。
桐蔭横浜大は今季、関東大学サッカーリーグ1部で明治大に次ぐ2位に入り、初のインカレ出場を果たした。初出場ながら2回戦で常葉大、準々決勝で前年度優勝の法政大を下すと、準決勝では中央大を延長戦の末に撃破。一気に決勝まで駒を進めた。決勝では明治大に主導権を握られながらも90分を無失点で耐え、延長前半2分にはセットプレーから眞鍋が先制点を奪取したが、3失点を喫して逆転負け。初出場初優勝の快挙とはならなかった。
躍進するチームをキャプテンとして牽引した眞鍋は、決勝でも出色のパフォーマンスを披露。明治大の猛攻を守備の中心として耐えしのぎ、自ら先制点まで奪ってみせた。結果的に勝利は手にすることができなかったが、試合後には「キャプテンとして挑んだ大会で、どうしても日本一というチームの目標を獲りたかったですけど、それ以上にチームが一つになったという財産ができた。後悔はないです」と清々しい表情で語っている。
大会ベストDFという勲章も手にしたが、「チーム全体があれだけ頑張ってくれて、最後の最後で体を張るだけという部分もあった」と謙虚に受け止めた眞鍋。リーグでもずば抜けた成績を残して優勝した明治大には「1年間を通しての練習量も、明治の練習量を聞いてきたなかで、『そりゃ強いな』というものがあった」とリスペクトを持ち、そんな相手に対して120分間の真っ向勝負を戦い抜いたという充実感も漂わせていた。
試合後の合同会見では、明治大キャプテンのMF佐藤亮が「試合中、『面白いね』という会話を(眞鍋と)交わしました」という“裏話”を明かしていた。山口入りが決まっている眞鍋を含め、両チーム合わせて9人のJリーグ内定者がいる好カード。その思いは眞鍋にとっても同じだったようだ。
「今後、Jリーグで戦う相手もいたなかで、やっぱりレベルの高いゲームができた。この観客(6084人)の中で大学サッカーができるというのも数少ない機会。この舞台で試合ができたことは楽しかったですし、本当に良い経験になりました」
大学最高峰の舞台ですべてを出し切った眞鍋には、山口での新たなチャレンジの日々が待っている。チームを過去最高成績に導いたキャプテンは、最高の経験を得てプロの世界へと飛び込んでいく。
(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)