インカレ“ベストMF”安部柊斗、延長戦も「全然キツくなかった」 来季FC東京で“即戦力”の覚悟
インカレ決勝、明治大が延長戦の末に桐蔭横浜大を3-1で下す
明治大は22日、インカレ(全日本大学サッカー選手権)決勝で桐蔭横浜大を延長戦の末に3-1で破り、10年ぶり3回目の大学日本一に輝いた。大会ベストMFに輝いた安部柊斗(FC東京内定)は「ずっと厳しい練習をやってきて、その積み重ねが延長で出た」と語り、大学生活での成長とプロでの意気込みを明かしている。
明治大は総理大臣杯、関東大学サッカーリーグ1部を制して、関東地区第1代表としてインカレに2回戦から参戦。中京大、筑波大、関西学院大を下して決勝に駒を進めた。桐蔭横浜大との決勝では90分を終えて0-0で延長戦に突入。延長前半2分にセットプレーから先制点を奪われたものの、同6分に同点とすると、同8分には逆転弾を記録。さらに延長後半7分にも追加点を挙げ、3-1で今季のタイトル“総なめ”を達成した。
延長戦の立ち上がりという難しい時間帯に失点しながら、力強く巻き返して栄冠を手にした明治大。4-4-2のボランチの一角として先発フル出場した安部は、「点を取られるのはセットプレーや事故かなと思っていた」としたうえで、そこからの挽回について「自分たちはずっと厳しい練習をやってきて、その積み重ねが延長で出た。走れましたし、全然キツくなかった」と要因に言及した。
そして、その中心にいたのが、4-4-2のボランチとしてMF瀬古樹(横浜FC内定)とコンビを形成し、中盤のセカンドボール争いでことごとく勝利していた安部だ。試合序盤から延長戦が終了するまで運動量と鋭い反応を保ち、ボールを失っても即座にプレッシャーをかけ直す動きを継続。桐蔭横浜大に主導権を明け渡さなかった。“ベスト”にふさわしい活躍を披露したなか、試合後には明治大の一員としてのラストマッチへの思いを口にしている。
「大学生としてのサッカーは今日で最後。明治大学には本当に成長させてもらいました。自分も思い切ったプレーをしようと心がけて試合に入ったので、ピッチで存分にそういうプレーが出せました。そこは良かったかなと思います。大学に入る前から自分のストロングポイントは球際や運動量で、明治大学はそのストロングポイントをさらに磨き上げてくれた。感謝しています」
大学日本一の看板、そして磨き上げられたストロングポイントとともに、安部は2020年からプロの世界に足を踏み入れる。FC東京U-18から明治大を経て、今度はトップチームの一員としての帰還。ルーキーイヤーという免罪符に甘えるつもりはない。
「来年からは本当に勝負。気を引き締めてやっていきたいです。プロ1年目にはなりますけど、1年目だからといって自分を出せないようなプレーはしたくない。大卒は即戦力。レギュラー争いでも自分の特長を出して、絡んでいきたいなと思います」
今季のJ1で優勝争いを演じ、最終的に2位となったFC東京では、厳しい競争が待っている。しかし、無尽蔵の運動量を武器にファイトし、中盤を制圧するプレーは魅力的。大学の頂点を極めた勢いそのままに、プロ1年目からレギュラー争いに食い込む覚悟だ。
(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)