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ベンゲル愛弟子対ミラン本田の育ての親 選手権16強で命運を分けた指揮官の采配とは
得点シーンで下した、それぞれの判断
一方で、”師匠超え”を果たせなかった悔しさが残ったのは岡山監督だ。「師弟とはおこがましいですけど、河崎先生との試合だったからこそ勝ちたかったのが正直なところです。力不足です。高校サッカーは難しいですね。簡単には勝たせてもらえません」
強い意識を持って試合に臨んだが、結果的には高い壁に阻まれることになった。
両指揮官の明暗を分けたシーンが、この日の決勝ゴールだった。後半4分、星稜は左サイド深くまで切り込み、ペナルティーエリアのすぐ外で角度のほとんどない位置からのFKを得た。キッカーのMF大橋滉平に河崎監督が与えた指示は意外なものだった。
「あの時は、キッカーの大橋にシュートを狙えという指示を出したんです。あの場所からのキックはこの3日間、選手に言ってきたものです。合わせるのではなく、強くライナーでのシュート。それが功を奏したかは分かりませんけどね」
一方の岡山監督にとっては、角度のない位置からのセットプレーでのシュートは想定外のものだった。
「分析してマークも付けていました。ベンチから河崎先生が指示をするので、おそらく低いボールで来るだろうとは分かっていましたが、シュート性というのは意外でした。シュート? それはちょっと頭にありませんでした」