香川真司への“愛情”は不変 サラゴサファンが日本の名手に託す夢「彼はもっとできる」
【現地発】ラシン戦で再認識した“香川人気”の高さ、ダブルタッチの美技にスタジアムは熱狂
サラゴサを応援する多くの人たちが、日本代表MF香川真司の復帰を待っていた。
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現地時間14日に行われたスペイン2部リーグ第20節のラシン・サンタンデール戦、キックオフ2時間半前くらいから、徐々にスタジアムの周りに増え始めたサラゴサのファンは、筆者が日本人であることに気づくと「シンジー!」と声をかけてきた。話を聞こうとすると、申し訳なさそうに「シンジは今日、プレーしないんじゃないかな……」と、首をすくめるような仕草を見せた。
ここ3試合、先発から外れていた香川の人気は決して衰えていない。この日もスタジアムに隣接しているホテルの1階にあるオフィシャルショップでは、「SHINJI KAGAWA」のネームが何枚もユニフォームにプリントされていった。合間には違う名前もプリントされていたが、それは次のスペイン国王杯で選手たちが実際に着用するユニフォームなのだという。
ラシン戦、ファンの予想に反して、香川は先発出場を果たした。試合序盤には中盤でダブルタッチを見せて密集をかわすと、エスタディオ・デ・ラ・ロマレーダは大いに沸いた。前半19分には後方からのロングボールを引き出し、相手最終ラインの背後へ侵入。ペナルティーエリア内で絶妙なボールコントロールを見せ、コロンビア人FWルイス・スアレスの先制点を演出した。
香川は後半22分にベンチへ退いたが、チームは2-0の勝利を収めた。2連勝を飾り3位に浮上したサラゴサの戦いぶりを、メインスタンドから観戦していたアントニオさんは上機嫌だった。
「サラゴサは長い間、2部リーグに居続けてしまっている。でも、このチームは素晴らしいチームで、偉大な歴史を持っている。今年のチームは、非常に団結していてチームとして戦っている。非常に堅固に戦うことができるから、素晴らしいシーズンにしてくれると思っているよ」
今季からチームに加わっている香川についても「彼が突出したタレントであることは明白だ」と、ポジティブな印象を語る。「でも、彼はもっとできる選手だと思っているし、もっと多くを期待しているんだ。シーズンの後半戦は、きっと期待に応えてくれるはずだ。負傷をしていたから、まだ時間が必要だろうね。少しずつだけど、確実にチームに溶け込んでいるよ」と、今後に期待を込めた。