森保J、2年ぶり“日韓戦”勝利へ必要なものは? “経験者”たちの言葉から読み取る本質

アジア大会決勝で対戦した上田も「打開策を自分なりに考える必要がある」と語る

 A代表での韓国戦は2年前まで遡るが、森保監督の率いるチームという括りでは、2018年9月1日のアジア大会決勝で対戦している。同大会の日本は東京五輪に向けたU-22代表、一方の韓国は今や世界的スターとなったFWソン・フンミン(トットナム)らオーバーエイジを活用し、なおかつ年齢構成はU-23だった。試合は0-0のまま延長戦に突入。前半のうちに2得点を奪われ、後半にはFW上田綺世(鹿島アントラーズ/当時・法政大)が1点を返したものの、1-2で敗れている。

 今回の韓国戦でも出場が見込まれる上田は、「普通の相手より激しく来る」としつつも、「韓国とやったことがあるからといって、できることは特にないと思います」という。その理由は「その試合、その試合の中で自分が感じたことを改善しながら、打開策を自分なりに考える必要がある」から。その場で感じたことを通じて、それぞれが必要なものを本当の意味で理解する――。“経験者”の言葉から読み取れるのは、そういった側面だ。

 もちろん、初めてA代表の大会に参加している選手たちにも、それぞれの日韓戦への意識は存在する。例えば、香港戦でハットトリックを達成したFW小川航基(水戸ホーリーホック)は「日韓戦はテレビで見ていましたし、すごく迫力があって、目の色を変えてやっているイメージがある」と印象を口にし、「僕自身は初めてなので、すごく楽しみではあります。球際の勝負は絶対に負けてはならない。プライドをしっかり見せたいなと思います」と力強いコメントを残している。

 彼らのように勢いがあり、フラットかつ強いメンタルを持つ若手たちが、そのまま力を発揮して優位に立てるのか。それとも、韓国の迫力が予測を上回り、後手に回ってしまうのか。現時点では未知数だが、勝利という最終目標を達成するためには、最悪のケースも想定しておくべきだろう。劣勢に立たされても勢いに呑まれるのではなく、焦らずに状況を受け入れて立て直さなければならない。その準備をチームとして戦術的に、個人レベルではメンタル的にも整えておく必要がある。

 敵地での韓国戦は、意外にも2000年4月26日の国際親善試合(0-1)以来、負けがない。観客動員に悩む今回のE-1選手権だが、さすがにメイン会場のアジアド主競技場で行われる日韓戦には多くの観客が訪れるはず。“完全アウェー”の中で、日本はチームとしても個人としても、底力を試されることになりそうだ。

(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)



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