「悔しさより怒り」 長谷部誠、EL32強も同僚に苦言の理由「守備もやらないし…」

ELギマラエス戦でプレーするフランクフルトMF長谷部【写真:Getty Images】
ELギマラエス戦でプレーするフランクフルトMF長谷部【写真:Getty Images】

苦しいなかでこそ問われる「選手個々のメンタル」

 過密日程により苦しい試合を続けているのは分かる。明らかに選手の足取りは重い。フレッシュさと程遠い状態なのは誰もが分かっている。それでも、フランクフルトらしく、高い負荷のかかるプレーをやり通す覚悟があるかどうか――問われているのはその部分だ。

「もう、これはハッキリ言ったら練習はできないので、そういう意味で先ほども言ったように、メンタリティーのところを突き詰めていくしかないですね。やっぱり、選手個々のメンタルの見せどころだと思うし、こういう苦しいなかでも踏ん張れるか踏ん張れないかというのは、その選手の良さでもあると思うので。チームとして踏ん張り切れてないというのは、そこが見せられていないのかなと思います」

 連戦の合間にいかに気持ちをリラックスさせ、頭の中をすっきりさせ、試合に向けて準備をするのか。長年そうしたセルフコントロールを余念なく行ってきた長谷部の言葉だけに、重みがある。

「(ELグループステージの)6試合を振り返って……まあ予選も結構厳しい戦いで6試合あって、これまで(全部で)12試合戦っているんですけど、昨シーズンより全然、今シーズンのほうが厳しい戦い、ギリギリの戦いをしている。実際このグループは、勝ち点9で勝ち上がれるというのもあまり高い数字ではない。ここまでの戦いに関して言えば、褒められたものではないんですけど。ただ次に進むことが大事だし、もちろん喜ばしいことで。ただ、修正しなきゃいけないことはたくさんあるなと感じます」

 ウインターブレイクの間に、チームをどこまで立て直すことができるか。そしてどのような状態で前半戦を終えることができるのか。リーグは今年残り3試合。厳しい戦いが続くが、一つでも多く勝ち点を取って休みに入りたい。

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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