韓国メディア、E-1の“集客失敗”を問題視 「興行は大惨敗」「アマチュア大会レベル」
男女とも記録的な観客数の少なさ… なでしこの初戦はわずか218人
韓国の釜山で10日から開催されているE-1選手権。今、韓国で問題視されているのが、観客があまりにも少ないことだ。韓国メディアは「興行は最悪の状態」と、大会の認知度や集客に失敗したとこぞって報じている。
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韓国紙「朝鮮日報」は、「(観客が)いないと言っても、あまりにもいない。10、11日に行われた4試合の観客数は3588人だった。11日に行われた女子の日本対チャイニーズ・タイペイが218人、韓国男子代表の初戦(香港戦)が1070人だった。国際大会なのに、観客数だけ見れば国内のアマチュア大会レベルだ」と伝えている。
観客が集まらない要因について、同紙は「スター不在が興行不振の主な要因」と分析。「国際Aマッチでないため、欧州でプレーする選手を呼べない。韓国の場合、ソン・フンミン(トットナム)やファン・ヒチャン(ザルツブルク)を招集できなかった。今年6月に釜山で開催された韓国とオーストラリアのAマッチは満席を記録したが、その時は欧州組がいた」と、人気選手がいないことも関心が遠のいている原因だと指摘している。
また、韓国のスポーツ・芸能専門サイト「スポータルコリア」も、「興行は“大惨敗”のレベルだ。九徳総合運動場と釜山アジアドメインスタジアムはサッカー専用スタジアムではない。それで視野が良くないばかりか、チケットの価格が最も高いもので9万ウォン(約9000円)と負担が大きい」と、スタジアムとチケットの高さも一般客の足取りが重くなった要因と報じている。
そのうえで、「開催国なら開催国らしく最後まで責任を負うべきだ。国内の集客から失敗しているのに、いい成績をどうやって残すというのか。男女同時優勝を目標にしているが、開催国の“アドバンテージ”はない。むしろ第3国で試合をしているようだ」と批判している。
これがもしかするとソウルでの開催であれば、もう少し観客も多かったかもしれない。だが、それでもここまでE-1選手権への関心が薄いとは、想像もしていなかっただろう。18日には大一番となる男子の日韓戦を控えているが、その時はさすがに多くの観客が集まると思われるが、果たして……。
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。