「お子ちゃまチーム」からの復活 星稜高・河崎監督が振り返る王者に訪れたチーム崩壊危機とは

玉野光南に2-1と逆転勝利を収め16強進出

 

 前回王者のプライドが逆転勝利を呼び込んだ。第94回全国高校サッカー選手権は2日に各地で2回戦16試合が行われ、前回王者の星稜高校(石川)は玉野光南高校(岡山)と激突した。前半に先制を許す苦しい展開になったが、後半に2点を奪って2-1の逆転勝利を収めた。

 星稜の河崎護監督は前回大会直前に交通事故に遭い、自身が不在の中でチームが全国制覇を果たした。そして昨年9月に現場復帰した際、王者はチーム崩壊状態だったという。

「今年のチームの命名は『お子ちゃまチーム』です。久しぶりに戻ってきた時に見ると、自分勝手なプレーばかりしていました。昨年のチームがこんなにも崩れてしまうのかという思いでした。厳しい相手との練習試合を組みながら、そのプレーがどれだけチームのプラスになるのか、マイナスになるのかと問いかけながらやってきました」

 ACミランの日本代表FW本田圭佑も育て上げた高校サッカー界の名将は、チームの成長過程をそう語った。

 その一つの象徴となるのが、この日の決勝ゴールを挙げたDF加藤貴也だ。登録こそDFだが、実際のポジションはFWだ。そのコンバートは大会直前の12月に入ってから。その狙いを河崎監督は次のように語る。

 

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