天皇杯でも露呈した勝負弱さ 浦和が“シルバーコレクター病”に苦しむ2つの理由

「勝てば優勝」のチャンスを3年連続で逃す

 浦和はまたも眼前でタイトルを逃した。2007年にアジアチャンピオンズリーグを制したのを最後に、タイトルから遠ざかっている。そして16年の元日、天皇杯決勝でも浦和はG大阪の前に1-2と敗れた。

 毎年のようにタイトルを獲得してきた黄金期の後、浦和は低迷し、11年には残留争いにも巻き込まれた。そこに12年からミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任し、チームはタイトル争いの常連に復活した。リスクと人数をかけた攻撃的なサッカーでゴールを量産する光景は、堅守速攻でタイトルを勝ち取ったかつての強い浦和とは異なる姿。それでもチームを復活させたという意味で、ペトロヴィッチ監督は浦和にとって恩人であることは間違いない。

 しかし、同時にこのチームは勝負弱さがクローズアップされる。13年のナビスコカップ決勝で柏に0-1で敗れると、14年のリーグ戦では勝てば優勝だった第32節G大阪戦を0-2と落とし、残り2試合も1分1敗で逆転優勝を許した。15年はゼロックス杯でG大阪に敗れ、ファーストステージを制すもチャンピオンシップの準決勝で再びG大阪に敗戦。そして、この天皇杯も準優勝だ。浦和の選手たちが歓喜に沸く優勝チームの表彰をピッチから眺める光景は、いつしか見慣れたものになってしまった。

 果たして浦和は、どうすれば再び頂点に立つことができるのか。単純な選択肢の一つは監督交代だが、クラブはすでにペトロヴィッチ監督と来季の契約を更新している。選手構成の部分でも、元日本代表MF鈴木啓太の現役引退とU-23日本代表の主将であるDF遠藤航の獲得をすでに発表しているが、チームを根本的に変化させるような選手の入れ替えではない。基本的な戦術のベースは変えることなく戦っていくことが見込まれる。

 

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