上々デビューの森島司、E-1で貫く「いつもどおり」の姿 「笛が鳴ったら変わらない」

中国戦で先制点をアシストしたMF森島【写真:Football ZONE web】
中国戦で先制点をアシストしたMF森島【写真:Football ZONE web】

「試合に出続けてレベルアップするしかない」と気負うことなく臨む

 森保一監督率いる日本代表は韓国・釜山で開催されているE-1選手権に参加し、10日の初戦では中国を2-1で下した。この試合で先発フル出場して代表デビューを飾ったMF森島司(サンフレッチェ広島)は、激しいポジション争いにも「いつもどおり、試合に出続けてレベルアップするしかないですね」と強調し、A代表の場でもブレないメンタリティーを示している。

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 日本は今大会に国内組のみのメンバーで臨み、森島を含む23人中14人が22歳以下の東京五輪世代の選手とフレッシュな顔ぶれとなった。中国戦では3-4-2-1システムを採用。試合序盤は苦しんだが、前半29分にFW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)で先制すると、後半25分にはDF三浦弦太(ガンバ大阪)のゴールで加点。終盤に1点を返されたものの、重要な初戦で勝ち点3を手にしている。

 この試合の攻撃を牽引した1人が、広島でプロ入り当初に森保監督の指導を受けてシャドーにコンバートされ、現在も3-2-4-1システムのシャドーとしてレギュラーをつかむ森島だ。中国守備陣のギャップでボールを受けて起点を作るだけでなく、先制点の場面ではFW上田綺世(鹿島アントラーズ)との連係から抜け出して鈴木のゴールをアシスト。A代表デビュー戦とは思えない、堂々としたパフォーマンスを披露した。

 森島は、現代表でのシステムについて「今のサンフレッチェの3バックというよりも、(プロ)1~2年目くらいの考え方ではあります」と語る。具体的にはサイドに流れるよりも、「もうちょっと真ん中でプレーできるシーンは多い」という。そうした細かな違いを認識し、適応しながら持ち味を発揮したからこそ、中国戦では輝きを放った。単なる3バックへの“慣れ”だけが理由ではないだろう。

 もっとも、3バックならシャドー、4バックなら2列目と目される森島のポジションは、現在の日本代表で“最激戦区”の一つ。主に3バックを採用する五輪代表でも、MF久保建英(マジョルカ)やMF堂安律(PSV)、MF三好康児(アントワープ)らが競争相手となる。それでも、森島はそうした状況を「意識はしないです」ときっぱり。「意識したところで、笛が鳴ったら、プレーになったら変わらない。いつもどおり、試合に出続けてレベルアップするしかないですね」と強調した。気負うことなく実力を発揮できるメンタリティーは強みだろう。

 軽やかなプレーを見せるピッチ内と同様、ピッチ外でも飄々とした雰囲気をまとうが、その言葉は“芯”の強さを感じさせる。あと2試合を残す今回E-1選手権で、さらなる飛躍を遂げる可能性も十分だ。

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