米澤監督が岩崎に託したもの

　岩崎自身は開口一番、「僕の力不足です」と言い切った。昨年度大会は1年生にしてレギュラーで大活躍し、ベスト8進出に貢献。FC東京や鹿島アントラーズなどのJクラブも獲得に乗り出していると伝えられていた。それだけに、2年生として迎えた今大会、岩崎にかかる期待は大きかった。

「終わってしまうの、早かったなぁ、と。でも、当然悔しいけど、学ぶことも多かった。監督には、試合が終わった直後に『来年、チームを頼むぞ』と言われた」

　米澤監督はチームを勝利に導くことができなかった岩崎への厳しい評価の後に、「来年のキャプテンはすでに岩崎で決まっている」と、目に見える形で絶対的エースへの信頼感を示していた。

「厳しいキャプテンとして、このチームを引っ張っていきたい」

　岩崎は試合後、主将の3年生DF小川礼太から受け取ったキャプテンマークを力強く握りしめ、そう口にした。

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城福達也●文　text by Tatsuya Jofuku