「僕にとって東京五輪は特別」 “サムライ”と呼ばれる21歳日系人の挑戦「この名前は…」
【日系ペルー人の挑戦|Part2】沖縄にルーツを持つ日系ペルー人のアラカキ コパ・リベルタドーレスにも出場
地球の裏側、南米ペルーで活躍している若き日系ペルー人がいる。ペルー1部の強豪、メルガルでプレーするMFヒデヨシ・アラカキ。日本人の祖父母を持つアラカキは、21歳ながらすでに同国1部リーグで4年間プレー。今年は南米の強豪が集うコパ・リベルタドーレスでゴールを決めるなど、国際大会も経験し、飛躍の年となっている。沖縄にルーツを持つ東京五輪世代に話を訊いた。
アンデス山脈の中腹に位置するペルー第2の都市アレキパ。郊外の谷をコンドルが飛び交う標高約2300メートルの高地に、アラカキが所属するメルガルはある。164センチ、64キロ。本名はヒデヨシ・エンリケ・アラカキ・チネン。南米の中では身長が低いとされるペルーでも、決して恵まれた体格ではないが、そのスピードと突破力、ゴールに向かう積極性、そしてメンタルの強さを武器に、チームの攻撃の一端を担っている。
6歳でサッカーを始めたアラカキは、ポルトガル代表のFWクリスティアーノ・ロナウドに憧れる少年だった。10歳でペルー1部ウニベルシダ・サン・マルティン・デ・ポレスの下部組織に入団。U-15で初めて年代別のペルー代表に選ばれると、U-17にも選出された。
そして16年に18歳でトップチームに昇格し、プロデビューを果たした。16年はリーグ戦13試合3得点、17年は16試合5得点をマークし、U-20ペルー代表にも選ばれた。そして昨年、1部リーグの3チームからオファーを受け、「直近5年の成績が良く、国際大会にも出られるチームだと思った」というメルガルに移籍。5試合1得点の成績にとどまったが、強豪クラブの中で徐々に出番をつかんでいった。
そして今年2月19日、ホームで行われたコパ・リベルタドーレス予選のカラカス(ベネズエラ)戦。アラカキは1-0で迎えた後半6分に左サイドから中央へ切れ込み、強烈なミドルシュート。豪快なゴールを決め、チームの本戦出場に大きく貢献し、その名を全国に轟かせた。その後、チームは決勝トーナメントには進めず、コパ・スダメリカーナへと回ったが、アラカキはコパ・リベルタドーレスで9試合1得点、コパ・スダメリカーナ1試合、そしてリーグ戦も21試合1得点2アシストと結果を残し、順調に成長を重ねている。