森保J、3バックへのトライは順調なのか? 選手たちの証言から読み解く“現在地”
E-1選手権の初戦となる中国戦で3-4-2-1システムを採用し、2-1の勝利を収める
森保一監督率いる日本代表は10日、韓国・釜山で開催されているE-1選手権の初戦で中国に2-1の勝利を収め、白星スタートを切った。5選手が代表デビューを飾ったこの試合で、日本は3-4-2-1システムを採用。通常の4バックとは違う布陣はどのように機能し、何が足りなかったのか。選手たちの証言から、主に攻撃面を検証する。
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今大会に向けた日本のメンバーは初招集10人、22歳以下の東京五輪世代が14人と、フレッシュな顔ぶれが揃っている。また、4バックと仮定するとポジションバランスに偏りがあったことから、3バック採用の可能性は開幕前から予想されていた。
そして初戦の中国戦、森保監督が選択したのはやはり3バック。サンフレッチェ広島を率いていた時、そしてU-22代表でも採用する前線に2シャドーを置いた3-4-2-1システムで、東アジアの覇権を争う戦いをスタートした。
序盤はシステムの問題というよりも中国の勢いに押され、劣勢の時間帯を過ごすことを強いられたが、前半20分前後からは落ち着きを取り戻す。同29分にはFW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)のゴールで先制し、後半にもDF三浦弦太(ガンバ大阪)が加点。終盤に1点を返されたものの、重要な初戦で勝ち点3を積み上げている。
今回の3バックへのトライを評価するにあたって、まず明確にしたいのは同システムの“利点”だ。3-4-2-1では選手の配置上、縦パスが入る→サポートの選手に落とすという流れから、ボールを受けた選手が前向きの状態を作りやすい。上手く連動すれば小気味いいパスワークが成立するが、システムに馴染みのない選手がすぐに順応できるほど甘い話はない。
そこで中国戦のキーマンとなったのが、所属クラブやU-22チームで3-4-2-1に慣れており、理解度の高い選手たちだった。森保監督をサンフレッチェ広島時代から知る左センターバックのDF佐々木翔(広島)をはじめ、元広島のペトロヴィッチ監督の薫陶を受ける右シャドーの鈴木、若くして浦和レッズのレギュラーとなった右ウイングバックのMF橋岡大樹など、要所要所に“適材”が配されていた。