FC東京、2年連続“失速”で晒した選手層の不安 史上最高2位も…「低迷危機」と紙一重

MF久保建英がレアル・マドリードへ移籍してから得点力は低下した【写真:高橋学】
MF久保建英がレアル・マドリードへ移籍してから得点力は低下した【写真:高橋学】

ステップアップを望むなら、勇気ある大胆な変革が不可欠

 リーグ2位でフィニッシュしながら、実はFC東京は非常に危機的な状況と紙一重に映る。終盤に入り長谷川監督は何度も「決め切る力」に言及したが、そこに絡む永井、ディエゴ・オリヴェイラ、髙萩、東が、来年には全員30歳代に入り、反面、下からの突き上げが乏しい。しかもAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が入ってくることを思えば、選手層の厚みが不十分なことは明白だ。

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 Jリーグの振幅は激しい。ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)を先駆けに、ジュビロ磐田、名古屋グランパスなど一度は黄金期を迎えたチームが、代謝期を見誤り次々に失墜していった。サンフレッチェ広島で4年間で3度目のJ1制覇を達成した森保一監督が、2年後には途中退陣に追い込まれたのも記憶に新しい。

 FC東京がさらなるステップアップを望むなら、おそらく勇気ある大胆な変革が不可欠だ。もし3年目も同じ選択に固執すれば、それは逆に大きな低迷の入り口になるリスクも孕んでいる。

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加部 究

かべ・きわむ/1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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