ブラジルの名門クルゼイロ、創設98年で初の2部降格 サポーター暴徒化、破壊行為も…

ブラジル2部に降格となったクルゼイロのサポーターたち【写真:Getty Images】
ブラジル2部に降格となったクルゼイロのサポーターたち【写真:Getty Images】

史上初の降格となったクルゼイロ 試合終了前から始まった暴動の様子を地元メディアが公開

 リーグ優勝4回を誇るクルゼイロだが、現地時間8日に行われたブラジル1部の第38節でパルメイラスに0-2で敗れ、史上初の2部降格が決定した。米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・レポート」は、98年間の歴史で初となる降格の様子をレポートし、サポーターによる激しい暴動があったことを伝えている。

 今季もミナスジェライス州選手権で優勝したクルゼイロだが、ブラジル全国選手権では低迷。かつてブラジル代表を率いた経験もあるマノ・メネゼス監督が8月に解任された。後任には、サンパウロのゴールマウスを長年にわたって守ってきたロジェリオ・セニ氏が就いたが、翌月には解任。その後はアベウ・ブラガ監督が引き継いだが好転せず、11月からはジュビロ磐田で選手や監督の経験があるアジウソン・バティスタ監督が率いていた。

 勝ち点36で降格圏の17位で最終節を迎えたクルゼイロは、ホームで3位のパルメイラスと対戦することになった。クルゼイロが降格から逃れるためにはパルメイラスに勝利したうえで、勝ち点差2で16位となっているセアラーがボタフォゴに負けることが条件となっていた。結果的にセアラーは1-1で引き分けたのだが、後半39分に2点目を奪われ0-2とされたクルゼイロは、試合終了を待たずして降格が決定的となった。

 その状況で、クルゼイロのサポーターは試合終了前から暴動を開始。スタンドからイスなどの物が投げ入れられたり発煙筒が焚かれたりしたため機動隊が出動し、90分間が経過する前に試合は中断され、そのまま0-2で敗れた。

 ブラジルのテレビ局「エスポルチ・ インテラティボ」は、公式ツイッターでクルゼイロのサポーターによる暴動の映像を公開。イスなどが投げ込まれる様子、発煙筒や催涙弾による煙、恐怖で泣いている子供、流血するファンの姿など衝撃の映像となっている。

 クラブへの愛が悪い方向へ向かう出来事となったが、名門は歴史的な屈辱から来季チームを立て直すことができるだろうか。

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