南米で戦う元Jリーガー、日本の“育成”評価も課題指摘 「今の子は冷めている感じがする」

「気持ちを前面に出すタイプの選手が、昔と比べて減ってきている」

――日本、ペルー両国を比較して、若手のレベルについてはどう感じていますか?

「僕がまだ若手だった頃は、日本よりもペルーのほうが若手のレベルも高かったんじゃないかと思います。でも今は違う。完全に日本のほうが技術も上ですし、若手が成熟してきています。日本はしっかりと選手の育成ができていると思います」

――今の若い選手に、何かアドバイスを送るとすれば?

「声を出してリーダーシップを発揮するような、気持ちを前面に出すタイプの選手が、昔と比べて減ってきていると感じるんです。そういう選手は、キャプテンマークを巻いている選手くらい。代表でも、技術は高いけど、淡々とプレーしている選手が多いですよね。僕らが若かった頃は、気持ちを前面に出す選手が多くてチームが空回りしていましたが、今の子はミスをしても意識がないくらい冷めている感じがする。

 でも、これはサッカー界だけに限らず、日本社会全体の問題なのかもしれません。そして、これは日本だけではなく、ペルーでも同じなんです。試合中、ピッチで声を出さない。もちろん、淡々とプレーする選手も必要なんですが、気持ちを前面に出す選手がピッチの真ん中にいるだけで、周りの選手はサポートを感じられる。今の若手は“ゆとり世代”と言われていて、そういう時代なのかもしれませんが、(ジェンナーロ・)ガットゥーゾや(ディエゴ・)シメオネのようなタイプが出てきてもいいと思います。僕たち“おじさん世代”しか、こう思っていないのかもしれませんけどね」

(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)



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