森保監督の“不透明さ”を英記者が指摘 W杯へ警鐘「ふさわしい人材なのか?」

過去カリスマ的リーダーとして日本代表を引っ張った本田圭佑【写真:Getty Images】
過去カリスマ的リーダーとして日本代表を引っ張った本田圭佑【写真:Getty Images】

「Jリーグでの成功と、国際大会で重大なインパクトを与えることは別問題」

 しかし、Jリーグでの成功と、国際大会で重大なインパクトを与えるのは別問題だ。非常に競争的な国内リーグを、限られた戦力で成功に導くこと自体は称賛に値する。とはいえ、国の期待を一身に背負うことは、もっとチャレンジングだ。現体制では、代表チームにタレントが勢揃いしているわけではない。中田英寿や小野伸二(現FC琉球)、本田圭佑(現フィテッセ)ほどのカリスマ的リーダーやスーパースターが不在なのは事実だが、森保監督がこれまで率いてきたチームよりも間違いなくチーム全体の平均レベルは高いと言い切れる。

 森保監督のチームの核は(実際は核以外もそうだが)、欧州組が基盤となっており、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)に出場する選手も増加してきている。本当の意味で試合の流れを変える選手はほとんどいないものの、彼らはアジアの対戦相手を粉砕するのが当たり前のレベルにはある。パフォーマンスは皆が望んでいるような華麗で魅力的なサッカーとはかけ離れていても、これまでのW杯予選では問題がほとんどなかった。才能に恵まれた日本は、比較的簡単にカタール行きを確保することができるはずだ。

 しかし、問いただすべき疑問がある。森保監督が作り上げるチームは、母国である日本以外の国に対してインパクトをもたらすことができるのかということだ。コパ・アメリカ(南米選手権)でポジティブな兆候を示したのは確かだが、結局はグループリーグ敗退を喫している。

 加えて、日本サッカー協会が調整する親善試合のキリンチャレンジカップはほとんど実りがなく、森保監督は11月のベネズエラ戦の大敗(1-4)が特異な事例であることを望んでいることだろう。主力の欧州組不在で、二番手の守備陣をスピードとパワーの連携で八つ裂きにされた。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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