Jリーグでも主流に? 横浜FMを躍進させた“世界の最先端戦術”「頭はパンクするけど…」

今季横浜FMは圧巻の攻撃力を誇示し、大きな飛躍を遂げた【写真:Getty Images】
今季横浜FMは圧巻の攻撃力を誇示し、大きな飛躍を遂げた【写真:Getty Images】

中盤でゲームメークする“偽SB” 横浜FMの破壊力を支える戦術

 昨季残留争いに巻き込まれた横浜F・マリノスが今季、圧巻の強さを誇示して優勝に王手をかけている。30日に行われたJ1第33節の川崎フロンターレ戦でも、リーグ連覇中の王者を相手に4-1と大勝。1年で見違えるほどの飛躍を遂げた要因には、“偽サイドバック(SB)戦術”の結実が大きく関わっている。

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「前半に僕が(中盤の)間で受けてエリキにパスを出してオフサイドになった場面があったけど、そこで『ああ、ここ結構空くんだな』と感じ取ることができて、後半それを得点につなげることができた」

 1-0で迎えた後半4分、左サイドに抜け出したFWエリキがボールを受け、相手GKとの1対1を制して貴重な追加点を奪った場面、敵陣中央から最終ラインの裏を取る見事なスルーパスを供給したのは、右SBを務めるDF松原健だった。

 昨季、アンジェ・ポステゴグルー監督が就任してから、横浜FMはSBが中盤の攻撃に加担して数的有利を作り出す“偽SB”の戦術を導入したが、それが裏目に出てリーグワースト3となる56失点を喫する苦しいシーズンを送ることになった。Jリーグ初挑戦の1年を終え、指揮官は様々な修正を加えつつも、“偽SB”に関しては完成度の向上を徹底した。

 今季も序盤はSBの先発が二転三転する試行錯誤が続いていたものの、右に松原、左にDFティーラトンに落ち着くと、横浜FMは圧倒的な強さを発揮し、ついに首位へと駆け上ることになった。松原は「練習で言われることはあまりないんだけど、体が勝手にそう動いてしまうというか、練習のメニュー自体がそうなっている」と、“偽SB”のスキルが自然と身につく練習が組み込まれていることを明かしている。

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