南野拓実は高速アタックの“司令塔” ベルギーメディアも絶賛「秀でたフットボールをする」
CL16強進出を懸けて最終節でリバプールと激突 前回とは「全く違う試合になる」
南野の機能的なプレーと、ゴールに直結するアクションは、ベルギーメディアの「スポルツァ」が「マン・オブ・ザ・マッチは南野拓実。名前が素晴らしく響くだけでなく、この日本人は秀でたフットボールをする。前半終了間際にはチームの2点目を入れて試合の行方を決めて、ザルツブルク攻撃陣の火付け役以上の働きをした」と評し、ベルギー紙「ヘット・ニウスブラット」はファン・ヒチャンとともにチーム最高タイの採点「8」を南野に与えた(ヘンクの伊東純也もチーム最高の「7」という高採点だった)。
アンフィールドで行われたリバプール戦(CL第2節)で、ザルツブルクは3-4と惜敗したものの大健闘。南野も素晴らしいプレーを披露した。第5節を終えてグループEで3位のザルツブルクは、ホームでの最終節でリバプールに勝つことがグループステージ突破の最低条件だ。敵地で好パフォーマンスを見せたことは、今度のリバプール戦に向けて大きな自信になるのだろうか。
「たぶん、全く違う試合になると思います。全く違う難しさ(がある)。前回は、僕らは失うものがなかったというか、3失点してから(反撃した)という状況でしたし。でも今回はどっちも負けられない。個人的に、メンタル的には次の試合のほうが難しくなるんじゃないかと思います」
ヘンク戦後、「次のリバプール戦は、僕たちにとってフィナーレ」という話をしていたのだという。
「(CLベスト16進出の)可能性があるので、次の試合が決勝戦のつもりで挑まないと。それは相手も同じだと思いますけれど、僕たちのホームで戦えるので、いい準備をしたいと思います」
前年のCL王者に対し、ザルツブルクがアンフィールドで見せた以上のパフォーマンスを発揮できるのか。12月10日、大一番での南野の健闘に期待を寄せたい。
中田 徹
なかた・とおる/1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグなどを現地取材、リポートしている。