憧れの澤の優秀の美をアシストで飾った川澄 「サッカーの神様にお願いしたんです」

小学生からのアイドル「優しくて格好良かった澤さん」

 川澄はINACにとっては2008年に日本体育大学から加入した生え抜きだ。そこに澤やFW大野忍などが加わった2011年から、リーグ3連覇など黄金期を築いてきた。9つのタイトルをチームは獲得してきた。そして、この皇后杯が10個目のタイトルになった。

「今年はリーグ戦でタイトルを取れず、昨年は無冠でした。この皇后杯に懸ける思いは強かったですが、澤さんの引退発表の後に結束が強くなったのは間違いないです。日本の10番に10個目のタイトルということで、最後にいい形で終わることができて最高だったと思います」

 小学生時代に、記念写真に一緒に収まった。「優しくて、かっこよかった澤さんで、私に夢を与えてくれた」という憧れの存在はいつしかチームメートになった。クラブでタイトルを次々に獲得し、なでしこジャパンでは共に世界の頂点に立った。

 いつも見続けてきた大きな背中を持つ偉大な先輩を、最高の形で送り出したいという願いを叶えた川澄もまた最高の気持ちで皇后杯を手にしていた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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