レジェンド澤が見せた最後の輝き 「これからも女子サッカーをよろしくお願いします」

笑顔のラストダンス

 INACのなでしこジャパンFW澤穂希は27日、現役最後の一戦となった皇后杯決勝後半33分にヘディングで決勝弾を決め、1-0の勝利に貢献した。チームに2大会ぶり5回目の優勝をもたらし、自ら輝かしいキャリアの最高の幕引きを行った。

 ラストダンスを終えた澤に涙はなかった。歓喜のホイッスルを聞いた後、宙を舞った。同僚に囲まれ、4度夕暮れの等々力陸上競技場の空にレジェンドが舞った。

「本当にみなさんの力でなんとか勝てて本当によかった。胴上げは素直に嬉しかった」

 15歳で日本代表デビューを果たした天才少女は、FIFA年間最優秀選手にも選出された。そして、10日前に現役引退会見に出席。今年結婚したJ1仙台の運営・広報部長の辻上裕章氏もスタンドで見守る中、自らのゴールで締めくくった。

 後半33分、全体的に劣勢なゲーム展開の中で得た右コーナーキックのチャンスだった。MF川澄奈穂美がゴール前に直線的なボールを入れると、そこにマーカーを振り切って飛び込んできたのは背番号「8」だった。ポニーテールが揺れる豪快なヘディングシュートは、新潟ゴールへと突き刺さった。

「川澄選手のボールが良かった。あとは当てるだけだった。とにかく現役最後の試合で得点を取れたことは非常にうれしく思う」

 長年、チームをけん引してきた澤は、自らの功を誇らず、アシスト役の川澄をたたえた。

 

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