久保建英は「特別な選手」 スペイン記者称賛も…“物足りない点”を指摘「最後の局面で…」
“先送りにされた”マジョルカの問題点、久保が好パスで同点ゴール演出
二つの選択肢が浮上していたなか、最終的にモレノ監督はラゴ・ジュニオールを怪我で欠いたため、レバンテ戦のスタメンに久保とサルバ・セビージャを併用し、その問題についての回答を先送りにした。
レバンテ戦で久保は、ラゴ・ジュニオールの穴を埋めるため、初めて4-2-3-1の左サイドハーフで先発起用された。ビジャレアル戦からの変更は2カ所、怪我のDFルーマー・アグベニェヌ、ラゴ・ジュニオールに代わり、DFフラン・ガメスとサルバ・セビージャが先発復帰した。
試合当日のバレンシアの気温は14度。2週間前にマジョルカのホームで戦ったビジャレアル戦よりも寒くはなかったものの、キックオフ直前まで雨が降り、スリッピーなピッチ状態のなかで試合はスタートした。
久保はキックオフから積極的にボールに絡み、前半5分にはDFジョアン・サストレの右サイドからのクロスに対してゴール前に飛び込み最初の決定機を作ると、さらに巧みなステップで2選手をかわす華麗なドリブルを披露した。
しかし同12分にFWアンテ・ブディミルの決定的なヘディングシュートが、レバンテのGKアイトール・フェルナンデスにファインセーブされると形勢が逆転する。その後は完全に押し込まれる展開となり、チームとともに久保も守備に追われていった。流れは後半に入っても変わらず、同7分にFWロジェール・マルティのヘディングシュートでレバンテにリードを許した。
その後、再び久保が存在感を発揮する。同13分、相手のクリアミスを拾ったブディミルからペナルティーエリア正面でパスを受けると、左足で果敢にシュートを放つ。惜しくもGKフェルナンデスの正面を突いたが、これが反撃の狼煙となった。迎えた同20分、右サイドハーフにポジションチェンジしていた久保は2選手を引きつけ、オーバーラップしたサストレに絶妙なタイミングで縦パスを送り、ダニ・ロドリゲスの同点ゴールの起点となった。
しかしマジョルカは、このゴールで主導権を握ることができず。同28分、ルベン・ロチーナに25メートルの位置からスーパーゴールを決められ、またもやレバンテにリードを奪われた。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。