岡崎慎司が激白 この4年で痛感した日本の弱点と次の4年で必要な「日本人らしさ」からの脱却
ヒーローになることと責任を背負うことは隣り合わせ
「点を決めるやつが一番責任を背負うと思うし、一番のヒーローだとも思う。責任を負うから、ヒーローにもなれるということだと思う。
責任とヒーローになれる、ということはイコールじゃないと公平じゃないんですよ。それはこっちに来て、点取らないとめちゃめちゃ言われるけど、点を取ると上に上がってこれる。そして点を取るためにはエゴイストになって、こっちにチャンスをくれというくらいじゃないとだめなんです」
決定力不足といわれて久しい日本代表。しかし今回のみじめなブラジルの敗戦でひとりのフィニッシャーが覚醒した。
昨季、ドイツ移籍後はじめてセンターフォワードに起用され、中堅マインツで、得点王に輝いたドルトムントのレヴァンドフスキにわずか5ゴール差となる15ゴールを決めた岡崎。伝統のブンデスリーガ7位となったこの数字は、それまでの香川真司の13ゴールを2つ上回る、日本人の欧州ゴール新記録になった。
その岡崎が、来季はゴール正面でさらなる飛躍を遂げようとしている。どん欲に、エゴをむき出しにしてヒーローになろうと牙を剥いている。
ピッチ上で自分を表現したい。
ブラジルで輝けなかった日本代表FWの悔しさは今、そうした真のセンターフォワードへの渇望へと変わり、岡崎慎司をロシアに向わせる大きな原動力になっていた。
【了】
森昌利●文 text by Masatoshi Mori
写真●gettyimages