岡崎慎司が激白 この4年で痛感した日本の弱点と次の4年で必要な「日本人らしさ」からの脱却
7月下旬、FSVマインツ05のイングランド合宿中に単独インタビューに応じた岡崎慎司は、なんの気負いもなくあっさりとそういった。
6月24日のコロンビア戦敗戦からは、約1か月の月日が過ぎていた。そのせいなのか、岡崎の表情は清々しく、失意や後悔、または悔しさという負の感情は全く見られなかった。
なぜならこの1か月間、岡崎は「どうしてだ?」と自問自答し続け、今回のワールドカップで抱えた負の感情を整理し、すでに自分の行く道を見いだしていたからだ。
単独インタビューが決まって、質問表を作ったが、それは全く無用だった。「まずはワールドカップのことからたずねたいが……」と切り出すと、岡崎はブラジル後に考え抜いたその思いを、堰が切ったかのように、一気に語り始めた。
「自分たちのサッカーをつきつめるということをやってきて、それをワールドカップでもやろうとなったけど、実際問題、この4年間固定されてきたメンバーが結果を出せなかった。
僕もそうだし、本田圭佑もそうだし、真司(香川)も長友もそうだった。みんな通用しなかった。目立った活躍ができなかった。この中の2~3人が同時に活躍しないとだめだった。
自分はずっと主力でやらしてもらって、たとえばチーム(クラブ)で出られなくても、代表では出してもらっていた。結局、そうやって固定された選手がだめだったというのは、もう一回また一から作り直さなければいけないということだと思う。
代表というのは、日本人選手みんなにチャンスがあるわけじゃないですか。そういう競争があって、あの11人はその競争から常に勝ち上がった者じゃなければいけないんです。でもそういう感覚が薄れていたと思う。
だから結局、僕からして甘かったと。下のカテゴリーから全部変えるくらいじゃないと、ワールドカップで日本が勝てるということは見えない、くらいに思った。
勝利にこだわるという、一番大事なものを見失っていたと思います」
痛烈な言葉の羅列だ。しかもその言葉は真っ先に自分自身に向けられていた。
しかし岡崎はザック・ジャパンを全否定しているわけではない。どころか、ザッケローニ監督は、「日本人を理解し、選手を信用してくれた」と話し、感謝の意さえ表した。そして昨年のコンフェデでイタリアと接戦を繰り広げた自信があり、ブラジルに向かう時には「本当にやれると信じ切って行った」という。ところがその自信は、真っ向から相手につぶされてしまった。