「“ごまかし”はもう利かない」 惨敗の日本代表「ベネズエラ戦出場16人」を金田喜稔が採点
永井、古橋らの迫力あるプレーを評価 「チーム全体のプレーのギアを上げた」
<途中出場>
■古橋亨梧(神戸/MF/←ハーフタイムIN)=★★★★
後半開始から右サイドに入ってフレッシュな力を発揮。後半4分にドリブルで持ち上がるなど、チームの攻撃を活性化した。ゴールという結果にはつながらなかったが、ドリブルもできてアシスト能力も高い選手。今後への可能性を感じさせるデビュー戦となった。
■三浦弦太(G大阪/DF/←ハーフタイムIN)=★★★★
ベネズエラが前半より攻撃のペースを落としたこともあるが、後半45分間のプレーで失点をゼロに抑えた。植田よりもビルドアップ時に高いポジションを取ることができ、ボールを前に運びながら常に縦パスを意識していた。三浦がセンターバックに入ったことで最終ラインが高い位置をキープでき、日本のリズムを作ることができた。
■永井謙佑(FC東京/FW/←後半20分IN)=★★★★
やはり永井はジョーカーとしても魅力的な選手だ。心と体の準備をし、自分がやれることをしっかり整理してピッチに入ったことで、短い出場時間のなかで持ち味を表現できていた。出場直後に左サイドからのグラウンダークロスでゴールを演出してリズムに乗ると、絶対的な武器であるスピードを生かし、攻守において迫力のある動きでチーム全体のプレーのギアを上げた。
■山口 蛍(神戸/MF/←後半20分IN)=★★★
出場4分後に同時投入された永井からのパスを受けて、一矢を報いるミドルシュートをねじ込んだ。相手に当たった一撃とは、その積極性が1点につながった。ベネズエラの足が止まった時間帯であり、守備面でも破綻がなかった。
■井手口陽介(G大阪/MF/←後半37分IN)=評価なし
プレー時間が短く評価の対象外だが、疑問なのはなぜ井手口が左サイドハーフに投入されるのか。ライン際で何回かボールを受けたが、本来はそこから縦に仕掛けて勝負する選手ではない。久しぶりの代表戦出場が不慣れなポジション、しかも限られた時間というのは、アピールしたい選手には酷だろう。不可解な采配だった。
[PROFILE]
金田喜稔(かねだ・のぶとし)
1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。
(金田喜稔 / Nobutoshi Kaneda)
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。