森保監督、兼任“3連戦”で招いた現場の混乱… 限界が感じられた瞬間とは
兼任監督として、A代表→U-22代表→A代表の3連戦を敢行
森保一監督率いる日本代表(FIFAランク28位)は19日に国際親善試合ベネズエラ(同26位)戦に臨み、1-4で大敗を喫した。前半だけで相手エースFWサロモン・ロンドンにハットトリックを達成されるなど4失点。後半に途中出場したMF山口蛍(ヴィッセル神戸)が1点を返したものの、観客からは大ブーイングを浴びせられる結果となった。17日に行われたU-22日本代表もU-22コロンビア代表に0-2で完敗。“屈辱的”な2連敗となった森保兼任監督の“現状”に迫る。
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あまりにも衝撃的な内容だった。前半8分、DF室屋成(FC東京)が右サイドでブラジルの強豪サントスに所属するMFジェフェルソン・ソテルドに翻弄されてクロスを上げられ、相手エースが頭でゴール。先制点を許すと、同30分には左サイドを崩されて2失点目。3分後に3失点目、その5分後には4失点目……と、修正できずに守備が崩壊した。相手エースは33分間でハットトリックを達成。コパ・アメリカのチリ戦(0-4)に続く、森保ジャパン最多タイの4失点で、ハーフタイムには会場から大ブーイングが浴びせられた。
この2日前、広島でU-22日本代表の指揮を執った森保監督。MF堂安律(PSV)とMF久保建英(マジョルカ)を東京五輪世代での活動に専念させ、“本気”メンバーで臨んだU-22コロンビア戦だったが、強度の高い相手に苦戦し、修正しきれないまま0-2で完敗となった。
もともと今シリーズは、14日のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選キルギス戦(2-0)において、右MFの主力を務める堂安や負傷を抱えるFW大迫勇也(ブレーメン)、DF冨安健洋(ボローニャ)は招集外となったものの、MF南野拓実(ザルツブルク)ら“いつも通り”のメンバーが参加。敵地での遠征を終えて、16日に帰国した指揮官はすでに11日から合宿を組んでいたU-22日本代表に合流。試合前日の公式練習で堂安と久保の“融合度合”を確認しなければいけなかった。
結果、戦術の浸透度はままならず、“混乱”を招くことにもなってしまった。ただ、完敗を引きずる暇もなく、指揮官は大阪へ。ベネズエラ戦に向けて招集された新戦力4人を含む9人が選出された“別”の日本代表に合流した。ベネズエラ戦に出場したのは、これまで出場機会のなかった選手たち。戦術を合わせる時間は2日間だけだった。日本代表とはそういうところ、とは言ってもあまりに厳しかった。森保監督自身も会見で責任を背負う言葉を残している。