東京五輪世代「ポジション別最新序列」 U-22代表、国内遠征で見えてきた“変化”は?

コロンビアとの一戦では厳しい試合内容となった【写真:Noriko NAGANO】
コロンビアとの一戦では厳しい試合内容となった【写真:Noriko NAGANO】

コロンビア戦は厳しい内容で敗戦 “有力候補”たちの現在地を探る

 東京五輪世代となるU-22日本代表は、11月11日から17日にかけて広島で遠征を実施。15日には練習試合でサンフレッチェ広島と、17日にはキリンチャレンジカップ2019でU-22コロンビア代表と対戦した。今回の遠征には直近の活動でA代表に参加していたMF久保建英(マジョルカ)、MF堂安律(PSV)、DF板倉滉(フローニンゲン)を選出。怪我人こそ出たものの、「現時点でのベストメンバー」(森保一監督)を揃えて、国内初の親善試合に挑んだ。

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 しかしながら、コロンビアとの一戦は結果、内容ともに振るわず、0-2の完敗。これまでのU-22日本代表と活動の中でも、特に厳しい内容で敗戦を喫することになった。今遠征を終えた時点で東京五輪の出場枠を手にする可能性を持つ有力候補たちが、どのような状況に変化したのか。◎評価不在という厳しい戦いに終わった広島遠征のアピール度を3段階で評価(◎→○→△)したうえで、ポジションごとの選手たちの勢力図を探っていく。

【GK】
■広島遠征組
○ 大迫敬介(広島)
△ 谷 晃生(G大阪)
■招集外
— 小島亨介(大分)
— オビ・パウエルオビンナ(流通経済大)ほか

 先月のブラジル遠征に続いて呼ばれた2人は、練習試合の広島戦とコロンビア戦でプレー。どちらの試合にも出場した大迫は、ハイボール処理に手間取ったり、ビルドアップでやや不安定な面を見せたりしたが、セービングの部分でらしさを披露して現時点での最有力候補であることを証明した。また谷も練習試合でビルドアップ面の向上を見せるなどまずまずの出来。コロンビア戦の出場がなかったため△としたが、今回招集外となった小島やオビに差をつけることには成功したと言える。一方、これまで有力候補の1人に挙げられていた小島は、クラブで出場機会を失っている現状を考えると難しい立ち位置にいると言っても過言ではないだろう。

【センターバック】
■A代表
— 冨安健洋(ボローニャ)
■広島遠征組
◯ 板倉 滉(フローニンゲン)
◯ 瀬古歩夢(C大阪)
△ 立田悠悟(清水)
△ 岩田智輝(大分)
△ 原 輝綺(鳥栖)
■招集外
— 町田浩樹(鹿島)
— 渡辺 剛(FC東京)
— 岡崎 慎(FC東京)ほか

 怪我もあって招集されることのなかった冨安が最有力のCB陣。今回のコロンビア戦は難しい出来に終わり、軒並み評価を下げる形となった。特にCBの中央に入った立田は、ビルドアップの面で不安定さを見せただけでなく、守備陣を統率することができずに悔しい結果に終わった。岩田、原も局面で良さは見せたものの、好アピールとはいかなかった。

 一方、板倉は広島戦、コロンビア戦と安定感を見せた。広島戦で後方から長短のパスを出し入れして存在感を発揮した瀬古もアピールに成功。序列を上げることにつながったはずだ。

 今回呼ばれたものの不参加となった町田、渡辺は、次回以降の遠征に期待したいところである。

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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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