「久保の感性と合っていない」 金田喜稔がU-22代表に警鐘、東京五輪へ“最大の問題点”とは?
「スペースは“使う”のではなく“作る”」という概念を浸透させるべき
「もちろん、久保に合わせることがすべて良いとは言わない。“11分の1”の選手の感性がハマらないのなら、チーム作りとしては“11分の10”に合わせるべきだろう」とも語った金田氏だが、この日対戦したコロンビアのサッカーを見れば、目指すべき方向は明確だと断言する。
「フィジカルもスピードも、日本より明らかに優位な立場にあるコロンビアが、簡単に背後のスペースを狙わずに足もとへのパスをつないでいた。東京五輪で、技術もコンビネーションの質も高い相手に、日本はどう戦えばいいのか? 足もとでつなぐことを放棄して、簡単に背後を狙う“博打のスルーパス”を出すサッカーでは絶対に通用しない。『スペースは“使う”のではなく“作る”』という概念を浸透させないと、世界では勝てないだろう」
現状のベストメンバーによる一戦で攻守に課題が噴出したU-22日本代表。東京五輪まで残り8カ月、選手の拘束期間も限られ、長期に及ぶチーム作りが難しいなか、森保監督の手綱さばきに注目が集まる。
[PROFILE]
金田喜稔(かねだ・のぶとし)
1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。