久保と堂安、U-22代表GKが語る“世界レベル”の才能 「シュートの威力、駆け引きが…」
GK大迫敬介が見たU-22日本代表“黄金コンビ”の凄さ
凄いものは凄い。本物は本物。ぜひ、サポーターに見て頂きたかった。
U-22日本代表対サンフレッチェ広島のトレーニングマッチが、一般のサポーターに対して非公開だったことは、本当に残念。試合のダイジェスト映像は公開されたが、やはりライブで、スタジアムで、サポーターに久保建英を体験してほしかった。
タッチライン際に立った時の雰囲気、空気。ボールを運ぶ時の姿勢、飛び込めそうで飛び込めない絶妙のタッチ。ボールを受ける前のさりげないポジション取り、収めた後の判断スピードとパスの精密さ。自分で行くと見せて周りを使う判断の確かさ――。完璧なスルーパスで上田綺世を走らせ決定機を創出するなど、それまで広島に支配されていた状況を一気に変え、久保はU-22日本代表に勇気をもたらした。
彼をずっと追いかけているわけでもないし、スペインでの映像もハイライトくらいしか見ていない。だが、筆者には強烈な「タケフサ体験」がある。
2017年11月26日、エディオンスタジアム広島。この日、広島はJ1残留を自力で決められる可能性があった。広島が勝利し、同時刻キックオフの大宮アルディージャ対ヴァンフォーレ甲府が引き分けか甲府が敗れる。それが条件だ。もし引き分け以下なら、残留は最終節の4位・柏レイソルとのアウェー戦まで持ち越しとなる。広島サポーターにとっては、どうしても勝利が欲しい。そういう状況だったことを記しておく。
試合は柴﨑晃誠と稲垣祥のゴールで広島が1点リードのまま、終盤を迎えた。FC東京の猛攻にも守護神・林卓人を中心に耐え、勝利は目前。スタンドの空気感も、甲府の結果が気になり始めた後半アディショナルタイム。この試合でJ1デビューを飾った16歳の少年が、スタジアムを震撼させた。
90+1分、右サイドからドリブルで切り込み、決定的なスルーパス。90+3分、水本裕貴を引き離し、稲垣も吹き飛ばすというスピードと力強さを見せたドリブルから強烈なシュート。いずれも、ゴールになってもおかしくないシーン。紙一重で防いだ広島が勝利を握り、甲府の引き分けによって残留を勝ち取った。
だが、今も思う。あの時、久保建英という少年に神様の指令が舞い降りていたとしたら、広島の残留は粉々に打ち砕かれ、全く違う運命になってしまったのではないか、と。
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