長谷部誠、笑顔で語る日本代表“引退後の今” 「第2、第3のサッカー人生を謳歌しています」

今の代表についても語ってくれた【写真:Getty Images】
今の代表についても語ってくれた【写真:Getty Images】

現代表の動向もチェック 「バランスのいいチームを作っているなと…」

 培った経験を若手に伝えていく。クラブチームでも、そして代表チームでもそうだった。日本代表からは2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)を最後に引退したが、長年キャプテンとして先頭に立って戦ってきた長谷部だ。今でも若き日本代表選手の動向を、しっかりとチェックしている。

「一緒に戦った仲間も多いですし、若い選手も入ってきて、バランスのいいチームを作っているなと思った。もちろん今は(W杯アジア)2次予選なんで、やっぱり最終予選は本当に厳しいので、そこに向けて……。もちろん、いいチーム作りがされているなと思って見ています」

 大陸を飛び交い、長時間の移動と、昼夜逆転する時差のなかで、コンディションを維持し続けるのは、並の努力では無理だったことだろう。その姿、振る舞いから、多くの選手が影響を受けたはずだ。今、フランクフルトで主軸として過密日程を戦う長谷部にとって、代表中断期に取れる休養時間は、心身ともにとても貴重なものなのだろう。

「もちろん、前半戦だけで3回も代表ウィークがあって、これだけ試合が多いので、その間にリカバリーできるのは大きい。僕は代表期間中にのんびり旅行したり、第2、第3くらいのサッカー人生を謳歌しています」

 そう話し、優しく笑う。1人のサッカー選手として、そして1人の人間として、忙しくも充実した毎日を過ごしている様子が窺えた。

 まだ終幕を迎えるつもりはない。クラブとの契約延長を果たし、来季もピッチで躍動する長谷部の姿を、ぜひとも見たいものだ。

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(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)



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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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