すべてのシュートを止める―― 大迫敬介、“泥まみれ”の先に見据える最高GKへの挑戦
東京五輪出場、海外でのプレーもあくまで成長過程の“通過点”
11月13日、広島とのトレーニングマッチで大迫敬介は、ドウグラス・ヴィエイラが放った決定的なシュート、しかも味方DFに当たってコースが変わるというアクシデントにもかかわらず、左手1本で防いでみせた。しかしその直後のCKで失点。所属チームから受けた洗礼に、表情を歪めた。
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試合後、彼はまたしてもゴールマウスの前に立ち、シュートを受け続ける。時間の制約のある代表チームでは、自分だけが居残ってトレーニングすることはない。しかし、もし自由に時間を使えたならば、大迫敬介はきっと、泥だらけになってピッチを転がるのだろう。東京五輪はもちろん、彼にとっても大切な大会。その先に海外でのプレーを夢見ていることも間違いない。しかし、それはあくまでも、成長の過程における通過点に過ぎない。
すべてのシュートを止める。決定的なシュートを決めさせない。
シンプルではあるが最高のGK像を目指し、大迫敬介は泥にまみれる。
(中野和也 / Kazuya Nakano)