「キルギス戦出場14人」を金田喜稔が採点 W杯予選4連勝に潜む日本の“マイナス面”は?
敵地でキルギスに2-0勝利 FK弾の原口には「強い思いを感じた」
日本代表は14日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の敵地キルギス戦に臨み、2-0で勝利した。劣悪なピッチコンディションと攻撃的な相手の姿勢に押し込まれる時間帯もあったが、前半41分にMF南野拓実(ザルツブルク)がPKを決めてW杯予選開幕から4試合連続ゴールを決めて先制すると、後半8分にはMF原口元気(ハノーファー)が直接FKを決めて追加点。このまま2-0で勝利し、W杯予選開幕から無失点での4連勝となった。
MF堂安律(PSV)やMF久保建英(マジョルカ)らをU-22日本代表に回すなか、アウェーできっちりと勝ち点3を獲得した試合を、識者はどのように見たのか。1970年代から80年代にかけて活躍した「天才ドリブラー」で、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した全14選手を5段階で評価(5つ星が最高、1つ星が最低)。「きっちりと結果を出すのが今の日本の強さ」と総じて及第点以上の評価を与えたなか、決定的なピンチを防いだGK権田修一(ポルティモネンセ)や、またも先制点を奪った南野らの活躍を称えた。
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<FW>
■永井謙佑(FC東京/→後半42分OUT)=★★★
前線で汗をかいて、味方のためにスペースを作る動きはできていたが、1トップとして出場する以上、やはり求められるのは得点であり、自らがシュートに持っていく姿勢だ。ゴールを決められなかったとしても、得点の匂いをもっと感じさせるプレーを見せてほしかった。後半はチーム全体がシンプルに縦パスを放り込む形が増え、スピードを生かす場面もあったが結果にはつながらなかった。
<MF>
■原口元気(ハノーファー)=★★★★
いつ、どんな時にプレーしても“原口らしさ”を出し、決定的な2点目をFKから決めた。ロシアW杯であれだけの活躍をしたアタッカーが、森保監督になってからの日本代表では中島の控えに甘んじている。その状況におそらく、本人もストレスを溜め込んでいたはずだ。そのなかで久しぶりに公式戦でスタメンのチャンスをつかみ攻守にアピールしながら、中島や堂安がいないなかでのFKの場面では自らが行って蹴ったところに、原口の強い思いを感じた。スタメンでも途中から出てもマイナスな部分を見せない経験値の高さは、森保監督にとっても大きいだろう。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。