ミラン本田と主役に座るライバルとの違い レギュラー確保に残された課題とは?

復権のカギは決定力!

 ACミランの日本代表FW本田圭祐は、20日の年内最後の試合となった、敵地フロジノーネ戦で先発出場を果たし、同点アシストを記録する活躍で4-2の勝利に貢献した。ポジション争いでは不調が続いていたが、ライバルのイタリア代表MFアレッシオ・チェルチに対してもインパクトを残した。だが、来年のレギュラー確保には、まだ大きな課題が存在するという。米スポーツ専門テレビ局「ESPN」は、「ジャコモ・ボナベントゥーラがフロジノーネ戦でACミランの勝利の主役」として特集した。
 この試合で12試合ぶりに先発出場を果たした本田は、「6点」という平均的な評価を与えられた。寸評では「2カ月間の大半をベンチで過ごした後、ミハイロビッチ監督から珍しい先発のチャンスを与えられた。日本代表は、疲れを知らぬ奮闘でチームのために犠牲を払った。だが、定位置を確保したいと思うのなら、ファイナルサードでより決定的になる必要がある」と分析した。
 本田はこの試合、決定機を逃している。後半3分に、その機会は訪れた。ペナルティーエリア外やや右でMFリッカルド・モントリーボに強くボールを要求。パスを受けた本田は、左足アウトサイドでパスをはたいて縦にスプリント。DFイニャツィオ・アバーテからのリターンパスを受け、やや角度がないながらもGKとの1対1を右足で狙った。しかし、ボールはファーサイドに外れてしまった。本田は、このチャンスを逃すと、ピッチ外の広告看板を蹴って悔しがった。
 「7ゴールドTV」の番記者パウロ・ヴィンチ氏は、この決定機について「センセーショナルなミス」と、指摘したほどだった。
 後半5分にDFアバーテにワンタッチパスを出し、アシストを記録した本田は、シニシャ・ミハイロビッチ監督やイタリアメディアからも久しぶりに評価された。だが、リーグ戦では1年以上ゴールから遠ざかっている。一方で、この日、ゴールを決めたボナベントゥーラは今季のエースという評価を確保し、押しも押されもせぬミランの主役に座っている。
 チェルチとのポジション争いを制し、後半戦のキーマンとなるためにも、背番号「10」はまず昨季序盤で見せたような決定力を示すことが先決のようだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo Getty Images

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