「冬の移籍」と日本代表の欧州進出をデータで斬る 山口&太田の成功の法則とは?
出場機会をある程度得られても…
全体的に半年間のみとなる1シーズン目の成績を見ると、それなりに出場機会を得ている。出場ゼロに終わった2010年のDF吉田麻也に関しては、リーグ再会前の練習試合で左足首を骨折して長期離脱した影響が強かった。やはり獲得する側も、後半戦に向けた即戦力補強として考えているため、しっかりとリサーチを進めて戦力として見極め、獲得している効果が表れているのかもしれない。
また近年は、ウインターブレイクの長いドイツやオランダへの移籍が増えていること、そしてFW大迫勇也やMF南野拓実のようにカテゴリーを落としたり、主要国以外のリーグに新天地を求めていることも、日本人選手の1シーズン目からの”成功率”を高めている要因と言えるかもしれない。
ただ、置かれたチーム状況により、試合に出ていても苦しむケースは多々ある。2008年のFW本田圭佑は、VVVフェンロでレギュラーとして試合には出ていたものの、チームは2部に降格。難しい戦いを強いられた一方、本田はオランダ2部でゴールを量産し、その名を高めた恩恵もあった。
逆に2009年にヴォルフスブルクに移籍したFW大久保嘉人は、自身2度目の欧州進出であり、MF長谷部誠が前年からチームに在籍していたため環境面での適応には困難さを伴わなかった。だが、チームが優勝争いを演じる中で、当時前線には元ブラジル代表FWグラフィッチ、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWエディン・ジェコという強烈なストライカーがいたため、フェリックス・マガト監督の信頼も得られなかったことが、わずか半年でのJリーグ帰還につながった。