「冬の移籍」と日本代表の欧州進出をデータで斬る 山口&太田の成功の法則とは?
移籍決定の2人に続き宇佐美も? 今冬に目立つ日本代表選手の欧州挑戦
今冬の移籍市場では、Jリーグでプレーする日本代表選手の欧州進出が続いている。12月15日にはFC東京で不動の左サイドバックを務めていたDF太田宏介のオランダ1部フィテッセへの移籍が発表され、21日には今季はJ2でプレーしていたC大阪のMF山口蛍がドイツ1部ハノーバーへ移籍することが正式決定した。そして現在も、G大阪のFW宇佐美貴史の今冬の去就がメディアを賑わせており、これまで噂に上がっているドイツのシュツットガルトとブレーメン、フランスのマルセイユに加えて、オランダのPSVが有力候補に浮上したと一部で報じられている。
そもそも、「春秋制」を採用するJリーグでプレーする選手にとって、「秋春制」を採用する欧州各国リーグに冬の移籍市場で渡ることは、様々な困難を伴う。シーズン終了後の移籍のため、所属クラブへの”ケジメ”はつくものの、オフがないまま新天地に渡り、短期間のトレーニングで自らの能力をアピールしながら、チーム戦術に適応しなくてはならない。私生活を含めて、限られた時間の中で新しい環境に馴染むのは容易ではないだろう。
しかも、チーム自体がすでにシーズンの半分を戦い終えている。指揮官の目指すサッカーがある程度固まっているなかで、リーグの上位にいるのか、下位で降格の危機に瀕しているのかなど、チームの置かれている状況によっても難しさは変わってくる。こうしたあたりに、長期間のキャンプを経て心身両面でじっくりと準備ができ、チーム自体もすべてがリセットされた状態にある夏の移籍との違いがあると言えるだろう。
表にまとめたのは、冬の移籍市場でJリーグから欧州主要リーグに移籍した主な日本代表選手をまとめたものだ。2010年南アフリカ・ワールドカップで日本代表がベスト16に進出して以降、1月のマーケットでも多くのJリーガーが海を渡っていることが、これを見てもよく分かる。