なでしこ高倉監督、南アフリカに快勝も東京五輪へ課題指摘 「崩しのところで…」
南アフリカとの国際親善試合で2-0と勝利、高倉監督は攻撃の改善点に言及
なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)は、10日に南アフリカとの国際親善試合を行い2-0で勝利を収めた。一方で高倉麻子監督は「テンポが自分たちのものにならないスッキリしない試合になった」と喜びは少なかった。
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この試合でのテストの一つとして、普段は攻撃的なポジションでプレーする左利きのFW遠藤純(日テレ・ベレーザ)を左サイドバックで起用した。相手ボール時のポジション取りや、攻撃参加のタイミングなどは慣れていない感を出していたが、ボールが入れば違いを生みだしそうな気配はあった。そうしたトライに高倉監督は「選手は前向きに取り組んでくれた」と、一定の評価を与えている。
一方で、なかなか対戦する機会のないアフリカ勢が持つ身体能力を相手にしたチームについて、高倉監督は「自分たちのペースで進める時間はあったが、個の強さ、一瞬の速さで球際が自分たちのものにならず、テンポが自分たちのものにならないスッキリしない試合になった」と、見た目のボール保持率ほど支配した感覚がないことを口にしている。
南アフリカは今年の女子ワールドカップ(W杯)に出場した実力国だが、来年の東京五輪にはアフリカ予選で敗退。地元開催での躍進、メダルを狙う日本としては、これ以上の力を持つアフリカ勢と大会のどこかで対戦しなければならない可能性は十分にある。
現在のチームに選手が残る国際大会では、2011年、15年、19年の女子W杯で15年にカメルーン、12年のロンドン五輪で南アフリカと対戦したことがあるだけであり、この親善試合は貴重な経験になったと言えるのだろう。
そして前半に2得点した一方で、後半には決定機を立て続けに逃す場面もあっただけに、高倉監督は「全体的な強度を上げていかなくてはいけないし、崩しのところで思い切ったシュートも少ない。ゴールを奪うというところではもっと修正できると思う」と、ゴールを奪うという観点からの課題も挙げている。
前回の16年リオデジャネイロ五輪への出場を逃し、今年の女子W杯では16強でオランダに敗退しただけに、東京五輪では「強いなでしこ」の復活を世界にアピールしたいところ。指揮官にとっては課題と収穫の両面があった試合になったと言えそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)