「やっと入った」 なでしこ熊谷紗希、代表110戦目の“初ゴール”に笑顔「嬉しかったけど…」
南アフリカ戦でセットプレーのこぼれ球を押し込む
なでしこジャパン(日本女子代表)の主将DF熊谷紗希は、10日に行われた国際親善試合の南アフリカ戦で前半21分にセットプレーのこぼれ球からゴール。代表通算110試合目での初ゴールに「やっと、という思いが強い」と笑顔だった。
熊谷は2008年に常盤木高校の2年時にA代表初選出。その後はU-20女子ワールドカップ(W杯)に出場するなど成長を見せ、2011年の女子W杯ではセンターバックのレギュラーとして活躍。決勝のアメリカ戦ではPK戦のラストキッカーとして、優勝を決めるシュートを成功させたことでも話題になった。
その後も代表の中心選手として活躍し、長身を生かしてセットプレーでも必ずと言っていいほど攻撃参加をしてきたが、ゴールに恵まれてこなかった。しかしこの日の前半21分、左コーナーキックにDF土光真代が右足で合わせると、相手DFがゴールライン上でブロックしたボールがゴール前に浮き、それを頭から飛び込み押し込んだ。
試合はそのまま2-0で完封勝利すると、熊谷は代表初ゴールに「何より嬉しかったんですけど、やっと入ったというのが大きいです」と笑顔を見せた。
来年の東京五輪でも最終ラインの中央を任せられることが予想される存在は、クラブでは欧州最強との呼び声も高いフランスのリヨンに所属。今年の女子W杯では、国際サッカー連盟(FIFA)が、大会に出場するスター選手の1人として紹介するなど、世界的な評価も高い。
今後を見据えて「普段やる相手とは違うスタイルの相手と戦うなかで修正点もあるが、ゼロで抑えて勝てたことは良かった。マイボールの時間を長くすることとミスを減らすことが生命線になるので、その質を上げてもっと戦えるチームになりたい」と課題も挙げた熊谷には、この初ゴールを機にセットプレーでより存在感を発揮することに期待したいところだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)