久保建英の途中交代は「当然」 マジョルカ記者が後半の“失速”指摘「何ももたらせず…」
久保もチームの決定力不足を悔やむ 「最初のチャンスで決めていれば…」
重用している固定メンバーを変えたことについて、モレノはバジャドリード戦後の記者会見で「ローテーションを行ったのではなく、他の状況との兼ね合いを考える必要があった。我々は木曜夜に戦い、日曜正午にプレーしなければならなかった。ベストのスタメンを組もうと努力した」と、中2日の試合日程が非常にハードで、何人かの選手たちがフィジカル面に問題を抱えて疲労もあったため、起用できるメンバーの中でベストイレブンを組み、あくまでローテーションを行ったのではないことを強調した。
11月3日のバジャドリードは気温12度と寒く、キックオフ前まで雨が降り、強風のなかでの一戦となった。マジョルカが掲げた大きな目標は、クラブの1部リーグ通算1000試合目となる節目の重要な試合を勝利で飾ること、そしてシーズン開幕から4連敗中のアウェーゲームで今季初勝利を挙げることであった。
対するセルヒオ・ゴンサレス監督率いるバジャドリードは、11試合3勝5分3敗の勝ち点14で13位とマジョルカよりも上位にいた。
久保はいつもどおり、4-1-4-1の右サイドハーフで先発出場。試合開始直後はいつも以上にボールに絡み、いいリズムでプレーしていく。右サイドに張るだけではなく、精力的に中央や左サイドに流れ、逆サイドのMFラゴ・ジュニオールとポジションチェンジをする場面も見られた。
実際、久保は左サイドで前半4分にラゴのクロスからサストレが放った最初のシュートの起点となり、同8分には味方と連係しつつ鋭いクロスを入れている。
前半終了間際の失点後、チームが押し込まれるとともに、久保も攻撃的なプレーが制限されていく。後半開始直後にシュートを打ち、際どいクロスを入れたのを最後に、チャンスを生み出せなくなった。さらに後半14分には、バックパスミスから決定機を作られる危うい場面を招き、後半23分にMFアリダイ・カブレラと交代しピッチを退いている。
キックオフ直後は悪くなかったものの、後半に大きく崩壊したマジョルカは0-3で敗れ、アウェーでは全敗となる5連敗。3試合連続の未勝利となり、3勝2分7敗の勝ち点11で前節と同じ降格圏一歩手前の17位のままとなった。
久保は試合後、「個人的には素晴らしいプレーができなかった」と自身のプレーを振り返り、「決定力不足だと思う。最後の局面で欠くものがあった」とチームがゴールを決められていないことを認め、「最初のチャンスで決めていれば状況は180度変わっていたと思う」と悔しがった。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。