「悪意があってする選手では…」 韓国代表監督、ソン・フンミンの“危険タックル”に言及
パウロ・ベント監督もエースのメンタル面を憂慮 「私は最大限にソン・フンミンの力になる」
今、韓国代表のFWソン・フンミン(トットナム)のメンタル面が心配されている。
11月3日に行われたプレミアリーグ第11節のエバートンとトットナムの試合で、MFアンドレ・ゴメスに後方からソン・フンミンが危険なスライディングタックルを浴びせた。倒れたアンドレ・ゴメスはトットナムのDFセルジュ・オーリエと交錯し、右足首があらぬ方向に曲がってしまった。
これを見たソン・フンミンはあまりのショックに顔を手で覆い、涙を流していた。主審も最初はイエローカードを出したが、アンドレ・ゴメスの負傷の状態を見て、一発退場のレッドカードを出した。
この出来事は韓国にとってもかなりショッキングな出来事だったようで、韓国メディアは一連の内容を一斉に報じていた。
最も心配されているのが、今後のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選への影響だ。スポーツ・芸能サイト「スポータルコリア」は、「キャプテンであるソン・フンミンの精神的な衝撃が、レバノン遠征の新たな懸念事項に上がった。韓国代表の(パウロ・)ベント監督のメンタル管理能力が必要になる時だ」と報じている。
というのも、4日に行われた韓国代表メンバー発表の会見で、パウロ・ベント監督への質問内容がソン・フンミンに集中したからだ。
韓国代表はW杯アジア2次予選で、14日にアウェーでレバノン代表と対戦し、19日にはUAEでブラジル代表との国際親善試合を控えている。パウロ・ベント監督もソン・フンミンの状況についてはよく知っていた。そのうえで「スポータルコリア」が、会見の詳細を伝えている。
「このような状況はとても切ない。何よりもゴメスの怪我が心配だ。私も同じポルトガル出身だが、国籍を問わず、誰が怪我をしても心配であることに変わりはない。ゴメスの早い復帰を願っている」と、まずは負傷した選手のことを気遣った。
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。