宮市亮が長谷部&鎌田を称賛 「とんでもない人」「タレント性がある」
DFBポカールのフランクフルト戦後に直撃 ドイツ1部のクオリティーを実感
ドイツ2部ザンクト・パウリの元日本代表MF宮市亮は、現地時間10月30日に行われたDFBポカール2回戦のフランクフルト戦(1-2)にメンバー入りこそしたものの、この日は出場することがなかった。試合後のミックスゾーンでは、明るい表情でチームのパフォーマンスについて満足気に語った後、「先々週打撲をして、この前ちょっと出て。明後日も試合があるんで、監督はローテーションしていくという話をミーティングで言っていた」とチーム事情を説明していた。
元日本代表MF長谷部誠、日本代表FW鎌田大地という2人の日本人選手が在籍する1部チーム相手の試合に、出たい気持ちがないはずがない。だが、休養することも大切だ。9月16日のリーグ第6節ハンブルガーSVとのダービーマッチに2-0で勝利し、一気に上位進出を目論んでいたチームだが、代表中断期を挟み勝利から見放されている。
それだけに次のリーグ戦が大事になる。そのことをよく理解している宮市は、「そうですね、相手もフランクフルトですし、去年ヨーロッパリーグで準決勝までいってますし。やりたかったですけど、切り替えて週末に持っていきたいです」と気持ちを切り替えていた。
フランクフルトについて尋ねられると、「やっぱり個々のクオリティーは凄かったですし、特に長谷部選手はもう、とんでもない人だなと思いましたね。鎌田選手も初めて見ましたけど、本当にタレント性があるというか、タッチも細かいですし、凄くいい選手だと思っていたので。いいチームだと思います、本当に」と、2人の日本人選手の活躍ぶりを称賛していた。
長谷部のどのあたりが“とんでもない”のか――その点を宮市にさらに聞いてみたところ、「やっぱりパス一つにしても、パススピードにしても落ち着きにしても。あの年齢で、もうすぐ36歳になると思うんですけど、まだフランクフルトの中心でリーダーとしてやっているというのは、とんでもないことだと思いますね」と重鎮の健在ぶりに舌を巻いていた。長谷部はこの日も3バックのセンターでフル出場。ザンクト・パウリの猛攻を冷静に凌いでみせた。
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。