苦悩の浦和、「J1残留争い」の重圧を軽減できず 過密日程の「ACL決勝」へ打開策はあるか
敵地で鹿島に0-1惜敗、勝ち点を「36」から上積みできず
浦和レッズは1日にアウェーで行われたJ1リーグ第30節の鹿島アントラーズ戦に0-1で敗れ、勝ち点を「36」から伸ばせなかった。J1残留争いのなかで勝ち点を積み上げ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝に向けて集中力を高めるという流れを作ることはできなかった。
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首位の鹿島とのアウェーゲームであり、厳しい試合展開が予想されていた。それでも浦和は明確な決定機というほどの大きなピンチを迎えることはなく試合を進め、チャンスこそ少なかったが0-0で引き分けての勝ち点1獲得も視野に入りつつあった。しかし後半27分に鹿島MF土居聖真のミドルを、この日がJ1デビューとなった浦和GK福島春樹がファインセーブしたところ、こぼれ球をMFセルジーニョに蹴り込まれ失点。その後は大槻毅監督がレッドカードを提示されるアクシデントもあり、同点ゴールを奪うことはできなかった。
この日は、ACL決勝の第1戦で正GK西川周作が出場停止になることもあり、福島に公式戦出場の機会を与えた。そして、サンフレッチェ広島戦(1-1)から中2日の過密日程のなかで、負傷していた主将のMF柏木陽介は8月23日の松本山雅FC戦(1-2)以来の復帰。主力のMF青木拓矢とFW武藤雄樹が負傷離脱したなかで、ターンオーバー起用と主将の復帰という要素もあるメンバー構成だった。
浦和は本格的な残留争いという意味では、最終節にようやく15位で残留を決めた2011年以来になる。そのシーズンを経験しているのは柏木と、この試合の後半23分から途中出場したMF宇賀神友弥しかいない。
その柏木は久々のゲームにも、シャドーの位置でボールを引き出しながらプレーした。それでも、外からチームを見るのではなくピッチに立ってみれば「距離感も良くないし、コンビネーションもまだ課題が残る。誰が動いたら、どこに誰が動くとか、そういう共通認識が必要なのかなと。それをやっていければ連動性や攻撃も改善されていく」と、個々の集合体になっているチームへの歯がゆさを語った。
一方の宇賀神は、勝利も引き分けも敗戦も考えられるような試合展開の末に、勝ち点を得られなかった結果について問われると、「難しいですけど、どうだろうな。そこが分からないというか。非常に良い戦いを今日もしていたと思いますけど、そこで勝ちを持ってこられないところが現状だと思うので。逆に、それが分かっていたらこの試合をモノにしていたのかな」と、苦しい胸の内を語った。