長谷部も絶賛する鎌田の「インテリジェンスの高さ」 2アシストに見えた確かな成長曲線
伸びしろを感じさせるプレー、まずは1ゴールを…
ブンデスリーガの激しさにもELとの過密日程にも、鎌田は高い順応性で自身の力を発揮している。
「フランクフルトのサッカーで中盤の3枚は今、大事なポジションと監督も言っている。中盤3枚が機能すれば上手くいくと。相手がどこだろうと競り合って、毎試合すごく走ってというサッカーをするチーム。中盤はすごく走って戦わなければならないポジションなので、疲労度も全然変わってくると思う。その分、いい選手もいろいろいる。疲れというのはありますけど、出たら言い訳できないし、できないなら監督に言いにいこうと思っている。自分のコンディションに最大限でやっていかないとチームの力にならないし、ポジションは取れない」
監督の要求に高いレベルで応え、それだけにとどまらず自分の引き出しをどんどんと増やしていく。トップ下でもインサイドハーフでも2トップの一角でも、伸びしろを感じさせるプレーを続けている。
「今年はリーグ戦もカップ戦もヨーロッパリーグもある。アシストと得点で、全部の試合で8-8、7-7くらいいけたら、僕としたらいいシーズンなのかなと思っている。そこらへんをとりあえず目指したい」
もちろん、まずは1ゴール――。すべてはそこからだろう。だが、続く28日のブンデスリーガ第9節ボルシアMG戦(2-4)でも2アシストをマークしたように、今の調子を見ていると目標達成の可能性は十分にある。そして、それ以上の活躍を見せてくれると期待したい。
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。