ベジェリンが自身の上着をプレゼント　主将のトラブルに対する皮肉も…

　イングランド・プレミアリーグのアーセナルは現地時間30日、リーグカップ4回戦リバプール戦に臨み、5-5で突入したPK戦に4-5で敗れた。計10ゴールが生まれる熱戦となったなか、試合前にアーセナルの副将が見せた“気遣い”が話題となっている。

　両チームともにリーグ戦からは大きくメンバーを変更して臨んだ一戦は、ホームのリバプールが前半6分にオウンゴールで先制する。しかしアーセナルもウルグアイ代表MFルーカス・トレイラの1ゴール、FWガブリエル・マルティネッリの2ゴールで逆転に成功。一転してビハインドになったリバプールは元イングランド代表MFジェームズ・ミルナーが追撃の1点を奪い、前半は2-3で折り返した。

　後半も点の取り合いとなり、4-5迎えた同アディショナルタイムにリバプールがベルギー代表FWディボック・オリギの2点目で同点に。試合はPK戦に突入し、リバプールは5人全員が成功、アーセナルはスペイン代表MFダニ・セバージョスが失敗し、リバプールに軍配が上がった。

　経験の浅い若手が多く出場しながらも、互いに多くの得点を決めるスペクタクルな展開となったなか、“ピッチ外”で注目を集めているのがアーセナルの副将を務めるスペイン代表DFエクトル・ベジェリンが見せた振る舞いだ。

　この日は本来のキャプテンであるスイス代表MFグラニト・ジャカが欠場し、代わりにアームバンドを巻いての出場となったベジェリン。試合前の入場を待つ間、自身を担当するエスコートキッズの少年が寒そうな仕草を見せていると、すかさず自身が身に着けていた上着を脱ぎ、少年に着せてあげたのだ。憧れのスターからの“気遣い”に、少年は幸せそうな表情を浮かべながら上着を身に纏っている。

　英衛星放送「スカイ・スポーツ」公式ツイッターは、この心温まるワンシーンを動画で公開。返信欄では「まさにキャプテン！」「なんていいヤツ」「驚くべき振る舞い」「素晴らしい」とファンからの称賛が集まっていた一方、本来のキャプテンが直近のリーグ戦でファンを挑発する愚行に及んでいたことから、「ジャカなら自分の上着を取ってくるように言っていただろう」という皮肉も寄せられていた。

　リーグカップは敗退となったものの、ベジェリンが見せた振る舞いは名門の“キャプテン”にふさわしいものだったと言えるだろう。